2012 Fiscal Year Annual Research Report
放射光微小ビームを用いた新規放射線治療の基礎物理的研究
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23791425
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中山 雅央 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 医学研究員 (60582004)
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Keywords | 放射光 / 微小ビーム / SPring8 / 放射線治療 / 線量測定 |
Research Abstract |
本研究は、大型放射光施設SPring8で得られる高い指向性をもったX線微小ビームに対して、放射線治療への応用に向けた線量検証を目的とする。 本年度は、特に不均質媒質中でのビームの変化について調べた。線量およびビームプロファイルの測定にはガフクロミックフィルムHD810を使用した。照射したフィルムのイメージは顕微鏡とCCDカメラで読み取り、解析にはImageJを用いた。最初に照射線量とフィルム濃度の関係を表す特性曲線を取得し、放射光の特徴の1つである大線量ビームの線量測定にHD810フィルムが使用できることを確認した。不均質媒質としてアクリル板とコルク板を組み合わせたファントムを用い、これに対して1本のビーム幅25μm、ビーム間隔200μm のビームをスリット状に照射した。アクリル板とコルク板の厚みの比率を変えた数パターンで測定を行い、それぞれ3cm深におけるビームプロファイルのfull widths at half-maximum (FWHM) およびPeak to valley dose ratio (PVDR)を評価した。その結果、FWHMは測定した各パターン間で差はなく、不均質媒質中でも放射光ビームの指向性の高さが示された。一方、線量に関してはアクリル板のみ3cmのパターンに対してアクリル板1cmコルク板2cmのパターンではピーク線量が約1.7倍、ビーム間の谷線量が約1.5~3.0倍であった。谷線量が低線量域のため、測定の精度誤差は大きいが、PVDRの値として最大約1.8倍の相違がある可能性が示された。微小ビームのスリット照射ではPVDRの値は照射線量の指標の1つとして生物学的効果に大きく影響すると考えられており、本研究の結果からビームが通過する媒質の密度によって同条件の照射であっても標的への効果が異なることが示唆された。
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[Presentation] Normal tissue tolerance microbeam X-ray irradiation2012
Author(s)
N Mukumoto, R Sasaki, H Akasaka, M Nakayama, K Yoshida, H Nishimura, K Umetani, T Kondo, Y Miura, K Shinohara
Organizer
The 6th S.Takahashi Memorial Symposium & The 6th Japan-US Cancer Therapy International Joint Symposium
Place of Presentation
広島
Year and Date
20120719-20120721
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