2011 Fiscal Year Research-status Report
放射線抵抗性腫瘍におけるNF-κB活性化の意義とその臨床応用に向けての研究
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23791426
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉田 賢史 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (80351906)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | NF-κB / 放射線抵抗性 |
Research Abstract |
癌の根治的治療における放射線治療の役割は近年飛躍的に高まっている。それに伴う技術的な進歩も目覚ましく、安全に高線量を照射することが可能となりつつある。加えて化学療法を中心とした併用療法により、これまで治癒し得なかった進行癌に対する治療成績も向上している。しかし、それに対して早期喉頭癌のように従来から放射線治療で根治が図られてきた腫瘍の治療成績はプラト-に達しており、10%前後は放射線抵抗性であると考えられている。同様なことは前立腺癌や子宮頚癌などの線放射治療が積極的に行われる癌に対しても言える。この現状を打開し更なる治療成績の向上を図るには単に線量の増加を図るだけでなく、腫瘍の生物学的な側面からの検討が非常に重要である。そのような背景から我々は炎症や発癌に広く関与するとされるNuclear factor-κB(NF-κB)に着目し、既に早期喉頭癌において研究を行ってきた。今回はそれをさらに発展させる形で幅広い癌腫においてNF-κB活性化と放射線抵抗性の関係を調査する。同時に臨床応用に本向けた第一段階として細胞(In vivo)、動物レベル(In vitro)での実験を行うというのが本研究の内容である。初年度は、A. 複数の癌腫におけるNF-κBの放射線抵抗性予測因子としての有効性の検討、B. 再発腫瘍におけるNF-κBの活性化増強についての検討、の2項目が予定されていた。我々は計画書の予定に、当院で積極的に治療が行われている頭頸部癌領域で放射線単独で治療されることも多い下咽頭癌を追加した。これらについて、免疫染色の結果が出次第、解析を行なってゆく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度は臨床データの整理、検体の収集から、免疫染色を行なってゆくというのが当初の予定であったが、データの収集に時間がかかったこと、また病理部との連携も当初困難であったため、若干の遅れが生じたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書においては平成24年度はCとして、放射線治療におけるNF-κB阻害剤の臨床応用の可能性についての検討(In vivo / In vitro)が予定されている。この実験ではまず我々の研究室で独自に樹立したヒト大腸がん細胞放射線抵抗性株(HCT 116 IRR C2)、及び放射線抵抗性前立腺癌細胞であるDU-145, PC-3を用いてNF-κB活性化を客観的に評価する(Western blot, ELISA)。続いて活性化が確認されたものをNF-κB阻害剤の存在下に培養し、活性の変化を評価する。また動物実験ではこれらの腫瘍細胞をヌードマウスの皮下に移植し、阻害剤をそれぞれについて最も適した方法で投与する。そして投与群・非投与群に分け時間経過とともに腫瘍のサイズ等を肉眼的に観察、最終的には摘出して免疫染色を用いてNF-κB活性の評価を行う。さらにこれらに放射線照射も行い、阻害剤投与群での放射線照射の有効性の有無も検討する。これらについて順次行なっていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度も消耗品、旅費、謝金、その他について計画書に従い無理のない形で研究費を使用してゆく。動物実験に関する費用が初年度と比べ増える可能性がある。
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