2011 Fiscal Year Research-status Report
3テスラMRIを用いた超高B値拡散強調画像による前立腺癌検出システムの確立
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23791427
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
北島 一宏 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80448860)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / MRI / 拡散強調画像 |
Research Abstract |
生検で前立腺癌と確定し当院泌尿器科に手術目的で紹介された患者の、3テスラMRIのADC mapと前立腺全摘術の病理結果を照合し、Ultra-high b value(b=2000 s/mm2)とstandard-high b-value(b=1000 s/mm2)を用いたADC値による癌の検出能(良悪の鑑別能)を後方視的に検討した。癌部と非癌部のADC値はoverlapが存在するものの、ROC解析によるAz値(0.8前後)や最適cut off値による感度・特異度(70~80%)は良好な結果となり、ADC値による定量評価は日常診断に有用な情報を寄与しうる事が判明した。辺縁域と移行域に分けて解析したところ、移行域癌ではb=2000 s/mm2とb=1000 s/mm2を用いたADC値による定量解析の診断能に差はほとんど見られなかったが、辺縁域癌ではb=2000 s/mm2を用いたADC値による定量解析の診断能はb=1000 s/mm2を用いるよりも有意に良好な結果なった。31人のデータを解析し中国北京で行われた第3回アジア腹部放射線研究会、46人のデータを解析し小倉で行われた第39回日本磁気共鳴学会で発表した。 次に80人のデータを使って、同様の解析をすると同時に、ADC値がGleason scoreとどのくらい相関があるのかを検討して、Journal of Magnetic Resonance Imagingに投稿してアクセプトされた。今回の検討では相関係数は0.3~0.4程度と弱い相関しか見られず、b=2000 s/mm2とb=1000 s/mm2に明らかな差はなかったが、standard-high b-valueを用いてADC値とGleason scoreの間に強い相関関係を証明している論文報告もあり、今後更に症例数を増やして検討する必要性を感じている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
学会発表と論文発表を着実に遂行できた。
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Strategy for Future Research Activity |
更に症例数を増やして、ADC値とGleason score/gradeとの相関を検証し、ADC値を用いたGleason score/gradeの予測が可能かどうかを検討する。機会があれば、生検前の症例にも応用を広げる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国内外の学会に参加し、本研究に関する最新の知見を得て、深みのある研究内容とする。学会発表、論文発表を積極的に行う。平成23年度の残金73円は、平成24年度の研究費と合わせて使用する。
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