2011 Fiscal Year Annual Research Report
骨系統疾患出生前診断を目的とする胎児CTのX線被曝低減の研究
Project/Area Number |
23791430
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
谷 千尋 広島大学, 病院, 医科診療医 (30526926)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | 胎児CT / X線被曝 / 逐次近似再構成法 |
Research Abstract |
平成23年度は、まず、胎児標本を用いた実験を行った。胎齢が24-32週までの胎児標本を15体を使用した。まず、母体の腹囲に近似した直径30cmのプラスチック容器に5%ホルマリンを満たし、胎児標本を入れ、動かないように固定した。15体中5体の胎児標本には、被曝線量を測定するため、ガラス線量計を4箇所(前頭部、後頭部、腹部、背部)に装着した。CTは、64列のMDCTを用い、管電圧を100k Vpに固定し、管電流を50、100,150,300,600mAと変化させて撮像を行った。各条件における被曝線量は、5体の胎児標本の平均値とした。残りの10体の胎児標本は線量計を装着せずに、同様の条件でCT撮影を行った。15体の標本から得られたデータから各撮像条件において胎児標本の骨格のMIP像、VR像を作成した。また、元のデータに逐次近似再構成法(ASiR : Adaptive statistical iterative reconstruction)を30%、60%、90%の割合でかけ、それらについても同様にMIP像、VR像を作成した。得られた画像から、視覚的スコアにより診断能を評価した。2人の放射線診断専門医の合議のもと、胎児標本の中手骨、中足骨、第12肋骨、腓骨、大腿骨骨幹端の描出の程度をスコア化した。スコアは、描出良好で形態評価可能=3点、描出されているが骨の形態評価不能=2点、描出されていない=1点とした。得られたスコアを管電流600mA(ASiRなし)の条件を標準画像として、各撮影条件における診断能をSteelの多重比較検定により検討した。その結果、標準画像と有意差がない画像が得られた最低被曝線量の画像は、ASiRなしの条件では、管電流150mAの画像、ASiRありの条件では、管電流100mAの画像であった。このときの胎児被曝線量は、150mA:2.53mGy、100mA:1.80mGyであった。この結果をもとに、今後は、臨床例への応用を進めていく計画である。
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Research Products
(2 results)