2011 Fiscal Year Research-status Report
新たな磁気共鳴撮像法を用いた定量的な関節軟骨障害の早期検出・重症度評価法の開発
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23791431
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高山 幸久 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 共同研究員 (60546563)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | Tρ(T1rho) / 関節軟骨 / 変形性膝関節症 / 関節リウマチ / 軟骨変性 |
Research Abstract |
本研究は、磁気共鳴画像法の一種である、T1ρ値計算画像を用いた、関節軟骨変性の検出と、その重傷度の定量的評価法を確立することである。今年度は、変形性膝関節症(以下OA)と慢性関節リウマチ(以下RA)の患者を対象に撮像した画像所見と、人工関節置換術施行後の切除標本より得た病理学的結果の対比を行った。方法は、肉眼的所見による関節軟骨変性の重症度を5段階(0;正常~4;関節軟骨消失)に分類した。それを元に関節軟骨標本を重症度毎に領域分け(例えば正常と軽度変性が同一標本に混在している場合は、正常部と軽度変性部がどの範囲に広がっているか)を行い、各切除標本毎に"重症度マップ"を作成した。また、顕微鏡的に関節軟骨内のプロテオグリカン量に関して、免疫染色後に半定量的評価を行った。術前に撮影したT1ρ値計算画像は、重症度マップと対比しながら、後ろ向きに解析した。具体的には、矢状断にて撮影した画像を用いて、関節軟骨の表面から軟骨下骨まで深さを2分割(浅層と深層と定義)して、それぞれに関心領域を設定した後に、領域毎の平均T1ρ値を算出した。平均T1ρ値と重症度の相関、OAとRAの比較に関して、統計学的に検証した。結果は、重症度進行に伴い浅層及び深層の平均T1ρ値は有意に上昇した。また、プロテオグリカン含有量は減少しており、有意な負の相関を認めた。この結果は動物実験やin vitroで行われた先行研究と矛盾しないものであり、in vivoで行った我々の結果も妥当であると判断した。OAとRAの比較では、OAは軽度変性では浅層のみ平均T1ρ値が上昇し、重症度進行につれて、浅層のみならず深層まで平均T1ρ値が有意に増加した。RAは重症度が進行すると浅層から深層まで全体的にT1ρ値が上昇する傾向を認めた。これは疾患により生じる関節軟骨変性の特徴を捉えており、今後の研究や診療に有用な結果を得たと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究へ賛同し参加して頂ける対象者が、当初予測していたよりも少ない人数である。ある程度の初期結果は得られており、今後の研究を進めていく上で、有用なものではあると考える。ただし、統計学的に十分な検証を行うには更なる参加者も必要であり、研究が遅延する一因にもなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
T1ρ値計算画像による関節軟骨変性の評価を行い、今後の研究を進めていく上で、ある程度の有用な成果は得られた。次に行う研究は、現時点で一般診療に広く用いられているT2値計算画像との対比である。本年度に行った研究と同様に、変形性膝関節症や関節リウマチの患者を対象として、T1ρ値計算画像とT2値計算画像の両者を撮像する。それぞれの画像所見を、人工関節置換術施行後の切除標本より得た病理学的結果を対比する。更に、複数の放射線科専門医による読影実験を行い、関節軟骨変性の早期発見や、関節軟骨変性の重症度を予測するにはいずれの計算画像が有用であるのか検証してゆく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国内および国外にて開催される学会において研究成果を発表する。また、研究成果は論文として投稿する。学会への旅費および参加費、論文作成時の英語校正に研究費を使用する予定である。
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Research Products
(2 results)