2011 Fiscal Year Research-status Report
高磁場MRIを用いた微小再発真珠腫の検出法および術前診断支援システムの開発
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23791432
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山下 孝二 九州大学, 大学病院, 助教 (80546565)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 真珠腫性中耳炎 / MRI / CT / 側頭骨 |
Research Abstract |
1.拡散強調画像撮像法の最適化MRI拡散強調画像にて真珠腫は高信号を呈し、信号上昇がみられない周囲肉芽組織とのコントラストが明瞭となる。Single-shot echo-planar imaging(EPI)は、短時間で撮像可能な簡便性から、頭部領域においては急性期脳梗塞の診断や腫瘍の細胞密度を推測する方法として汎用されている。しかし、側頭骨領域においては、耳小骨や内耳骨迷路、乳突蜂巣の描出は不良であり、周囲空気の影響により画像に歪みが生じる。真珠腫の場合数mm単位での描出制度が求められる事から、現在汎用されているsingle-shot EPIに代わる新しい撮像法の開発が必要である。今回、Multi-shot EPIを用いた方法にて術前真珠腫の診断能向上につながった。内容をAmerian jounal of neuroradiology誌に投稿し、2011年11月号に掲載された。MRIでの耳小骨等微小構造の可視化MRIを用いた骨構造の描出は非常に困難とされていたが、新たな撮像法の開発により可能となりつつある。例えば、Ultrashort TE (UTE)を用いたMRI画像では耳小骨構造の描出が可能となり、さらに改良をすすめる事で、CTを用いない検査が可能となり、術前・術後の経過観察において繰り返し検査する際に、放射線被曝を考慮する必要性がなくなる。また、拡散強調像とのフュージョン画像作成においても、同じモダリティを用いる事により、1回の検査で精度の高い画像作成が可能になるものと期待される。国際磁気共鳴医学会に発表後、撮像法を改良し、現在、Dentomaxillofacial Radiology誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に記載した1.拡散強調画像撮像法の最適化および2.MRIでの耳小骨等微小構造の可視化に関してはいずれも国際学会において発表しており、1.に関しては英文雑誌に掲載されている。本研究は側頭骨領域における歪みの少ない撮像法作成を目的としているが、1.のMulti-shot EPIでは従来のSingle-shot EPIと比べて真珠腫の良好な描出能・診断能を有した。また2.では従来のMRI画像では困難であった耳小骨描出を可能としたため、将来的にはCT撮影による必要以上の被曝軽減につながる可能性が示された。
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Strategy for Future Research Activity |
拡散強調画像撮像法の最適化MRIでの拡散強調画像を用いた真珠腫描出は有用ではあるが、特に高磁場MRIにおいては周囲空気などの影響により、特に側頭骨領域においては画像の歪みが生じやすい。一方高磁場MRIでは脳実質においては画質の向上が広く知られている。今後はさらに歪みを減じた撮像法(特に高磁場MRIにおいて)の開発を行っていく。高精度レジストレーション(位置合わせ)手法の開発現在、PET-CTは悪性腫瘍の早期発見として、臨床的に汎用されているフュージョン画像である。近年、CTは多列化がすすみ、冠状断・矢状断等の再構成画像の作成が容易となっており、異なるモダリティの画像であっても、3次元的・非線形的に重ね合わせる事が可能となりつつある。本研究ではPET-CT作成手法を応用し、側頭骨領域におけるCT/MRIフュージョン画像の開発を行う。レジストレーションの正確性向上のために、CTおよびMRIの撮像期間がなるべく空かない様に配慮していく。これにより、真珠腫の局在および進展範囲(耳小骨や、骨迷路などの内耳器官との関係)を視覚的に理解しやすくし、術前マッピングとして有用となるのみならず、術後の経過観察において真珠腫再発の有無を同定する際にも有用となる。レジストレーションのアルゴリズムは、ボクセルのintensityを照合することによるパラメトリック変形の最尤推定に基づいて行う。正当性に関しては手術所見との対比しながら、術中ナビゲーションシステムの性能評価を随時行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究ではCTやMRIおよびフュージョン画像を用いるため、大量のデータ保存のための大容量ハードディスクやCD/DVD-ROM等が必要となる。本研究の成果を社会・国民に向けて発信するために、積極的に国内外の学会で発表を行い、論文発表を行う。そのために、国内・国外旅費、研究資料収集、学会誌投稿料、印刷費が必要となる。
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Research Products
(5 results)