2014 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病の進行度が脳内アミロイド沈着及び糖代謝に及ぼす影響―PETによる検討―
Project/Area Number |
23791436
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
松島 成典 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70535575)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | アミロイドイメージング / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病患者は漸増しており、2007年時点で予備軍を含め2200万人と推計されている。国内外における大規模調査では、糖尿病患者は脳血管性認知症のみならず、アルツハイマー病の有病率も健常者と比較し高いことが明らかとなっている。近年になり、アミロイドβタンパク質を画像化する方法(アミロイドイメージング)が確立され、アミロイドイメージングを行うことで、アルツハイマー病の発症前診断が可能になると期待されている。本研究では、健常者と比較し有病率が高いとされている糖尿病患者に対し、アミロイドイメージングを行うことによって、アルツハイマー病の罹患リスクを早期に評価し、予防に役立てないか検討を行うものである。 最終年にあたる平成26年度では、リクルートの推進ならびにデータの解析を行った。PiB-PETを撮像した20症例の内訳は、DM群7症例(age 72.5±4.9)と非DM群13症例(74.1±10.9)であった。Logan Plot法にてDVRを算出し、PiB陽性の判定を行ったところ、DM群では7例中2症例で陽性、非DM群では13例中4例で陽性であった。陽性率はそれぞれ28.6%、30.7%であり、統計学的な有意差は認められなかった。追跡調査できた症例は2例に限られているが、いずれも集積の程度に変化を認めなかった。本研究ではDM症例、非DM症例の陽性率に有意差を認めなかったが、症例数が限られていたこと、高齢者のため非DM群でも集積が高かったことが影響を及ぼした可能性がある。今後、若年者におけるDM症例、非DM症例の検討を行うことが望まれる。
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