2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791447
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
關 智史 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30398614)
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Keywords | 膵癌 / 分子標的治療 |
Research Abstract |
本研究では、HER2発現膵癌に対して分子標的治療薬抗EGFR抗体の影響を検討し、更に放射線照射を施し、化学療法と放射線療法の併用が膵癌に対して有効な治療改善になることを目的とする。前年度まで抗EGFR抗体、抗VEGF抗体各々と放射線照射との併用による生存率の影響を検討した結果、各々の抗体と放射線照射との併用で細胞増殖抑制への相乗効果がみられた。今年度は抗EGFR抗体、抗VEGF抗体と放射線照射の併用による影響をRT-PCR法によりHER2, VEGF遺伝子発現量への影響を検討した結果、mRNA発現の抑制傾向がみられた。また、抗EGFR抗体、抗VEGF抗体各々と放射線照射との併用による生存率の低下がアポトーシスを介しているか否かを検討するために、Bax, BCL-2, caspase-3, PARP, 及びcleaved casapse-3, PARP蛋白発現をwestern法により検出した。Bax, BCL-2発現は未処理と薬剤と放射線照射の併用とでは顕著な発現の差が検出されなかった。がaspase-3, PARP蛋白のcleavedを起こしていることがみられた。更に、細胞増殖抑制が認められた細胞をヌードマウスの背部皮下に移植し、X線照射、抗EGFR抗体、抗VEGF抗体各々を投与したマウスと投与していないマウスの腫瘍サイズの変化を検討した。その結果、2郡での腫瘍サイズでは差がみられたが、顕著な差ではなかった。 今後発現遺伝子とアポトーシスとの分子生物学的機序の検討、及び膵臓癌は血流が豊富であり、VEGFも標的となりうることから抗VEGF抗体と放射線併用療法及び抗EGFR抗体、抗VEGF抗との関連を放射線感受性との関連性を検討していきたい。
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