2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791450
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
黒河 千恵 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20399801)
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Keywords | 放射線治療 / 線量測定 / 強度変調放射線治療 / 光子線 / 電子線 / 高精度放射線治療 / TLD |
Research Abstract |
放射線治療では高線量の放射線が人体に照射されるため、様々な治療の条件において治療計画装置を用いて線量を正確に求める必要がある。そのためには、精度良く測定されたデータを治療計画装置へ入力することが重要となる。本研究の目的は、熱蛍光薄膜体(TLDシート)、および光刺戟薄膜体(PSLDシート)という全く新しいタイプの2次元線量計を用いて、患者へ投与される線量分布を求め、高精度な治療を安心して患者へ提供できるようにすることである。TLD、およびPSLDシートは、既存の2次元線量計と比較して薄く、柔らかいため、自由に形を成型できることから、人体等の曲線を持った部位に対しても表面に密着して設置することができる。したがって、これまで測定するのが困難であった部位(患者体表面など)の線量を精度良く簡便に評価することが可能となる。線量分布測定を始めるにあたって、まず、シート使用上の特性として、熱・光フェイディング、繰返し使用による感度変化(耐久性)、分割照射による感度変化(線量加成性)の評価を行った。その結果から、測定・解析に伴う誤差が最小(5%以内)となるような使用プロトコールを作成した。また、放射線治療に用いられるエネルギー領域(MeVエネルギー)のX線、電子線に対するシートの基本的特性、およびその3次元線量分布の測定が可能である事も同時に示し、線量分布が急勾配となるような強度変調治療においてもシートによる線量分布測定が有効であることを明らかとした。次に、高原子番号物質(チタン、鉛)の線量への影響評価としてシートを用いた。高原子番号物質存在時の特性とシート使用時の測定結果はよく一致していた。これにより、既存の線量計では評価が困難とされていた患者体内に金属が留置されているような状況下においても、金属による散乱成分の定量的な評価を金属に密着した面まで含めた定量的な評価を可能とした。
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Research Products
(5 results)