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2011 Fiscal Year Research-status Report

フォトンカウンティングを利用した医療用小型スペクトロメータの開発

Research Project

Project/Area Number 23791451
Research InstitutionTeikyo University

Principal Investigator

古徳 純一  帝京大学, 医療技術学部, 講師 (70450195)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywordsリニアック / スペクトロスコピー / 逆問題
Research Abstract

本研究では、放射線治療の医療現場で用いられるリニアックから出力されるX線光子のエネルギースペクトルの推定を目指し、基本となるエネルギー推定の原理の確立とプロトタイプの製作を目指すものである。平成23年度の成果は以下の通りである。1)【検出器の基礎的な構築による原理の確認】X線を放射するリニアックのガントリの後段に、真鍮製のコリメータ2つと、タングステンの減衰版を設置し、光子数を減弱させる。減弱した光子は、鉛ブロックに囲まれて遮蔽されたNaIシンチレータで検出され、シンチレーション光は後段の光電子増倍管および読み出し系を通してスペクトルとして記録される。平成23年度は、この検出器のセットアップが医療用リニアックからのエネルギースペクトルの測定に使用できることを確認した。2)【逆問題の解法のプロトタイプの作成】リニアックからのX線エネルギースペクトルの推定は、測定されたエネルギースペクトルから真のエネルギースペクトルを推定する逆問題と考えることができる。一般に逆問題を解くための手法は、一般化逆行列を解く決定論的な手法と、統計的な推定方法に分類できるが、今回、プロトタイプとして採用したのは、両者の中間である逐次近似法である。検出器への光子の入射エネルギーに対しての、検出器の応答は、事前にEGS5を使ったモンテカルロシミュレーションで求めておく。これらの応答を、逆問題の解析に使用するために応答関数という形式でまとめる。今回の実験では、このエネルギースペクトル推定を、過去の文献のモンテカルロシミュレーションの結果と比較し、矛盾のない結果が得られたことを確認した。これらの研究成果を、アメリカ医学物理学会(AAPM)での口頭発表、プロシーディング、第103回日本医学物理学会学術大会での口頭発表として発表した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の目的は、医療用のリニアックからのX線のエネルギースペクトルを推定するための基礎的な原理を確立することである。リニアックのエネルギー推定のフレームは、大雑把ではあるが、現段階で機能することが確かめられた。その意味で、目的達成のベースラインはすでにクリアしている。

Strategy for Future Research Activity

本年度は検出部の無機シンチレータとしてNaIを使用していた。最初の実験としては、安価なNaIを使用することは適切であったといえるが、NaIは他のシンチレータと比べて実効原子番号が小さく、リニアックからのMeVの光子を検出するのに最適な検出器とは言いがたい。そこで、NaIよりは高価であるが、高い実効原子番号をもつBGOを検出部のシンチレータとして使用し、実験を行う。また、一般に逆問題の解は、初期値の状態や系の状態に敏感である。今回の逐次近似法は比較的安定な方法であるが、逆問題の推定方法を、より頑健な方法に置き換えていくとは、現実の問題に適用する上で避けては通れない。統計的手法を用いて、より頑健な推定を行うことを目指す。これらの研究成果を国内、海外の学会で発表するとともに、国際的な学会誌への論文投稿を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度は、アメリカ医学物理学会(AAPM)で当該の成果を発表するための参加費、旅費、および国内の学会、研究会での発表の参加費、旅費を計上する。また、論文発表のための費用が必要である。さらに高計数処理を円滑に行うため、検出器の読み出し回路の部品の費用を計上する。また、本年度は当初の計画以上に放射線の遮蔽材の費用がかさみ、十分な読み出し回路部品を購入するのに不足な額(約29万)が残ってしまったので、次年度に繰り越して使用する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2011

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Dose Calculation of KV Cone‐Beam CT by Use of Pinnacle2011

    • Author(s)
      Jun'ichi Kotoku
    • Journal Title

      Medical Physics

      Volume: 38 Pages: 3723

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Dose Calculation of KV Cone‐Beam CT by Use of Pinnacle2011

    • Author(s)
      Jun'ichi Kotoku
    • Organizer
      AAPM Anual Meeting
    • Place of Presentation
      バンクーバー
    • Year and Date
      2011年8月1日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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