2011 Fiscal Year Research-status Report
RI標識抗HIF-1抗体を用いたラット急性心筋梗塞のイメージングに関する研究
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23791452
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
福島 賢慈 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (50408613)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 核医学 |
Research Abstract |
本研究の目的は急性虚血における心筋内のhypoxia induced factor (HIF-1)の心筋イメージングを試みることで急性心筋梗塞における急性期イメージングの有用性を検討するものである。既にRI標識抗HIF-1抗体の作成は成功しており、健常ラットと急性心筋梗塞モデルとで異なるイメージング結果となったのは確認された。しかしながら急性期から亜急性期にかけてのイメージングの変遷やイメージングのクオリティなど依然として検討が必要な項目が多い。 本年度では心筋梗塞の亜急性期から慢性期モデルを作成し、そのイメージングを試みる。それらのイメージングの有用性を検討し、梗塞範囲や重症度などとの関連を評価する。また他の既に確立されている心筋血流RI製剤や心筋脂肪酸代謝イメージング製剤、また心筋交感神経イメージング製剤との対比検討を行い、臨床におけるイメージングの有用性を検討する。 さらに下半期ではI-125標識からIn-111標識へ変更を試み、カメラでの全身イメージングおよび心臓イメージングを試みる。心筋梗塞モデルラットをイソフルラン吸入麻酔下でイメージング製剤を静注し、ガンマカメラでプラナー像を撮像し、肝臓や肺など隣接臓器とのコントラストを評価し、ex vivoでの分布状態と対比し、非観血的イメージングの可能性を評価する。これにより抗HIF-1抗体を用いた新たな急性心筋虚血イメージングの可能性を試みる事が出来る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はすでにRI標識抗体の生成に成功しており、純度の評価も行えた。またラット急性心筋梗塞モデルを用いての経静脈投与でのオートラジオグラフィにも成功しており、ラット急性心筋梗塞モデル作成には再現性が確認できた。またしかし亜急性期~慢性期ではラットが死亡するケースが見られ、症例を集めるために難渋している。本年度では技術的な向上も今後のテーマとなりうる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は臨床応用へのイメージングの有用性の検討に入る事を目標とする。実際の臨床例では極めて早期の急性心筋梗塞よりも、急性期から亜急性期に外来診療を受ける、あるいは救急搬送される場合が顕著であると想定される。そのため亜急性期~慢性期モデルを作成しイメージングの有用性を検討し、実際の臨床を想定する。しかしながらそのイメージング製剤の安定性も要求されるところであり、保冷あるいは凍結などでどれくらい製剤が使用可能であるかを検討する必要がある。また他の心筋血流製剤との比較も行い、実際の症例でのイメージングをあらかじめ推定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は心筋梗塞亜急性期~慢性期モデルにおけるイメージングの有用性を検討する。その後、In-111標識でイメージング製剤を作成し、ガンマカメラで撮像を行い、画像の質や、心臓の描出などを評価し、臨床実用への可能性を検討する。
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