2014 Fiscal Year Annual Research Report
RI標識抗HIF-1抗体を用いたラット急性心筋梗塞のイメージングに関する研究
Project/Area Number |
23791452
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
福島 賢慈 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (50408613)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 心臓核医学 / 小動物イメージング / 虚血 / 画像診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
低酸素誘導因子(Hypoxia-induced factor-1= HIF-1)は細胞へ供給される酸素分圧の低下に反応して誘導されるタンパクである。HIF-1は血管内皮細胞、糖代謝、アポトーシスの制御に関わっていると推測される。HIF-1は心筋細胞にも発現しており虚血あるいは心不全モデル等での上昇が報告されている。虚血による低酸素状態となった細胞では本来は数分以内に分解されるはずのHIF-1がプロテアソームよる分解が急激に抑制されるため心筋に多く停留する事になる。心筋虚血の血清マーカーにはクレアチニンキナーゼMBや心筋トロポニンT、あるいは心筋脂肪酸結合蛋白などが挙げられるが、どれも検出可能になるには数時間を要し、急性心筋梗塞超急性期や不安定狭心症に代表される急性冠動脈症候群では早期検出に有用なマーカーとは言えない。片やHIF-1は超急性期から発現するが、ほぼ全身の組織に存在しているため心筋の特異的血清マーカーとしての有用性は低いと予想される。しかしながらイメージング製剤として心臓が描出されれば臨床的有用性がある。 I-125標識を行った抗体をthin-layer chromatographyで標識率を測定したところ90%であった。ラット心筋梗塞モデルで投与を行ったところ、急性虚血再灌流直後でのイメージングでは心筋の虚血部にI-125標識抗HIF-1抗体の集積が見られた。完全閉塞モデルではイメージングを行ったが虚血部の画像が得られなかった。また心筋梗塞後慢性期モデルでは本イメージング製剤による心筋の描出が得られず、急性期のみ有効である可能性が考えられた。
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