2013 Fiscal Year Annual Research Report
パラメトリック単色X線(PXR)を用いた新たな光線力学療法(PDT)の開発
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23791453
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
雫石 崇 日本大学, 医学部, 助手 (30570741)
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Keywords | 光線力学療法 / 放射線増感剤 / パラメトリックX線放射 |
Research Abstract |
日本大学電子線利用研究施設ではパラメトリックX線照射(PXR)が可能で、その放射源としてシリコン完全結晶が採用されているが、将来の臨床応用を考慮すると高エネルギー化が必要である。それには格子定数の小さなダイヤモンド結晶の利用が有利と考え、高エネルギー化試験を行った。その結果、従来のシリコン結晶では達成していない最高X線エネルギー61keVでのPXR発生およびX線像取得まで達成できた。しかしながら、安定したPXRの発生および電子ビーム照射によるターゲット結晶の損傷、劣化に問題点が見つかり、今後の検討となった。 ヨード化合物は、歴史的に放射線増感剤として研究されてきたこと、臨床的にX線イメージングで造影剤として使用されていることに着目し、我々は124I-HPPH合成の中間産物である非放射性ヨード化合物127I-HPPH(717)が新たな放射線増感剤として使用可能ではないかと考えた。白色X線照射装置を用いX線のピークエネルギーを、ヨードのK吸収端である33keVに設定し放射線増感効果を検討した。In vitroにおいてはT24ヒト膀胱癌細胞株を用いてWST assayおよびcolony formation assayを使用して生存率を評価した。717投与後X線照射群においてX線照射単独群に比較して生存率の低下が確認された。717の細胞内局在をorganelle probeおよび高速液体クロマトグラフィーを使用し評価したところ、主にT24のミトコンドリアに取り込まれることを確認した。717を投与したT24にX線を照射したところ、活性酸素の産生が確認され、これが放射線増感効果の機序の可能性が示唆された。In vivoにおいてはマウス背部皮下にT24を注射し腫瘍を作成し評価した。717を腫瘍に局注後X線照射群においてX線照射単独群に比較して腫瘍径の増大が抑制されていた。
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[Journal Article] AN IODINE LABELED PORPHYRIN AS A NEW RADIATION SENSITIZER IN VIVO, COMBINING PHOTODYNAMIC THERAPY (PDT) WITH PHOTON ACTIVATION THERAPY (PAT)2013
Author(s)
Naoya Ishibashi, Kyoko Fujiwara, Ravindra K. Pandey, Motoaki Kataba, Asako Oguni, Jun Igarashi, Masayoshi Soma, Takashi Shizukuishi, Toshiya Maebayashi, Katumi Abe, Osamu Abe, Motoichiro Takahashi and Yoshiaki Tanaka
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Journal Title
J.NIHON Univ.Med.Ass
Volume: 72
Pages: 212-219
Peer Reviewed
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