2011 Fiscal Year Research-status Report
IFN‐αと放射線治療効果増強に向けたBID分子標的療法の検討
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23791456
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
津野 隆哉 関西医科大学, 医学部, 助教 (60598259)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 分子標的療法 / 遺伝子治療 / アポトーシス / BID |
Research Abstract |
悪性腫瘍に対する新たな分子標的療法/遺伝子治療の確立として、我々はアポトーシス経路に着目し、in vitroにおけるその誘導においてBH3 interacting domain death agonist (BID)分子の重要性を、インターフェロン(IFN)-αの抗腫瘍効果増強と共に報告した (Tsuno T, et al, 2012)。本研究は、この研究成果をin vivoにおいても同様に示すことを目指すものであり、BID分子標的療法/遺伝子治療の有用性と安全性を検討することを主目的とする。平成23年度は、まずBID遺伝子包埋ベクターの樹立から始めたが、これに主な実験経過が費やされた。このベクターについては、我々が上記研究で報告したpIRES-BID ベクターをNational Institutes of Health (Bethesda, MD, U.S.A.)で作成、エンプティーベクターと共に精製した。次に腫瘍表面抗原を有する腫瘍細胞株として、我々がin vitro研究で使用し、かつインテグリン受容体を有するヒト肺癌細胞株 A549 (Xu F, et al, 2010) を選択、細胞培養を開始した。この腫瘍細胞を選択した結果、腫瘍特異的drug deliveryの方法として、簡便かつ理論的にも適していると考えられる合成環状ペプチドiRGDを選択、作成した。このiRGDはインテグリン受容体と結合し、腫瘍特異的浸透能力を示す環状ペプチドとして報告されている (Sugahara KN, et al, 2009, 2010)。上記のように我々は、pIRES-BID ベクターを使用したA549細胞への遺伝子導入の有効性をin vitroにおいて既に報告しているので、今後まず、ICR nuマウスにA549細胞を皮下接種し、腫瘍生着を確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度はpIRES-BID ベクターの作成、精製に主に実験経過を費やしたが、我々がin vitroでのBID遺伝子導入の有効性を既に報告しているA549細胞を使用できるため、予備実験の段階ではあるが、ほぼ平成24年度の計画通りにin vivo実験を開始する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
予備実験、本実験を通して、ICR nuマウスにA549 細胞を生着させる。コントロール(PBS)群、エンプティーベクター群、pIRES-BIDベクター群に分類する。更にそれぞれのベクター群をPBS投与群、IFN-α投与群、放射線照射群、IFN/放射線併用治療群に分類する。ベクター群にはiRGDとin vivo jetPEI(Funakoshi)を併用投与する。次にベクター群に、注射用PEG-IFNα-2b製剤(ペグイントロン皮下注用; MSD株式会社)の皮下注射と放射線照射を行う。これらのiRGD/in vivo jetPEI/ベクター投与、ペグイントロン皮下注射、放射線照射を2-3回繰り返す。腫瘍量が一定量となった時点で、マウスの全身におけるアポトーシス発現量をin vivo Apoptosis FLIVO Kit (ImmunoChemistry Technologies, LLC.)を用いてlive imaging測定する。次にマウスの腫瘍組織、主要器官の組織切片を作成する。それらの切片に対して、アポトーシス発現の検討、病理学的評価などを行う。腫瘍量は統計学的手法に基づき評価し、腫瘍細胞死の誘導増強効果や、BIDの分子標的療法/遺伝子治療としての有用性ならびに安全性を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マウスを使用したin vivo実験を続行するため、マウス購入費、マウス実験費用(麻酔剤、遺伝子導入剤、手術器具、病理組織作成・評価費用など)、本実験のためのベクター精製費用、in vivoでのアポトーシス検出費用、必要に応じたiRGDの追加作成費、研究情報収集・研究成果発表のための学会参加費・旅費、別のベクター作成・遺伝子導入剤が必要となった場合の物品費用、in vitro実験が必要となった場合の物品費用など。
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Research Products
(2 results)