2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23791457
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
中谷 幸 関西医科大学, 医学部, 助教 (10533424)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 経皮的穿刺 / CT透視 / インターベンション / 低侵襲治療 / 放射線防護 |
Research Abstract |
[研究の実施内容]下記のようにH23年度の実施計画に沿って穿刺支援デバイスを作製し、穿刺実験を行った。・防護シールドの製作:CTの寝台上に設置する半筒型のアクリル製の枠に鉛シートを貼付した。・レールの製作:シールドの上面にCT断面と平行にレールを設置した。アームを安定して操作出来るように2列のレール上にアームの台を設置した。アーム台はスムーズな走行が得られるよう滑車を取り付けた。術者の手の散乱線による被爆を低減するため、レールはCT断面より20cm以上離れた位置に装着した。・穿刺支援アームの製作:アームはCT透視下穿刺手技上で想定される操作に対応できる可動性を持ったものを設計した。左右に任意の角度に振れるよう関節を備えた。また、穿刺目標に対し穿刺針等のデバイスが垂直方向へスライド移動可能な構造とした。アームはレールに沿ってCT断面と平行方向に移動できる。・スティックの製作:穿刺時に障害物を移動させるためのスティックを製作した。CT透視下でのアーチファクトが生じないよう木材とアクリルを用いた。・腹部ファントムの製作:水、保水素材、発泡スチロールでファントム・穿刺実験用の穿刺目標物、障害物を製作した。小さな球状の保水素材を腹腔内組織の代替とし、穿刺の障害物が腹部ファントム内を移動できるようにした。・ファントム実験:ファントムを用いてCT透視下に穿刺実験を行いレール上でのアームの操作性を検証した。アームを操作して障害物をスティックにて移動し、目標物の穿刺に成功した。[研究の意義・重要性]作成した装置を用いて障害物を移動させ、通常の穿刺手技では穿刺不可能な場所にある目標物へアプローチできることが実際に検証できた。CT透視のリアルタイムに目標物、障害物の位置が確認できる長所を活用することで、精細なデバイスの操作や正確かつ迅速な目標の穿刺が行えると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
この研究の目的はCT透視下で臓器を移動させ目標物にアプローチするデバイスの製作を行い、ファントム・動物実験で手技を成功させることである。H23年度の実施目標は穿刺支援デバイスの作製、デバイスの操作性の検証・ファントムを用いた穿刺実験である。実施計画に沿い、穿刺支援デバイスとして穿刺支援アーム、臓器を移動させるためのスティック、アームを防護シールド上で移動可能にするレールを作製した。CT透視下穿刺手技上で想定される操作に必要な可動性を備えたデバイスが作製できた。また、これらのデバイスとファントムを用いてCT透視下に穿刺実験を行った。デバイスは実験においても想定した操作が可能であり、障害物をスティックで移動させ、目標物の穿刺に成功した。穿刺支援デバイスの作製と検証実験が概ね計画通りに進行できたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
H23年度に実施した穿刺実験を踏まえ生体で実行できるデバイスへと完成させる。ファントムを用いた仮想手術を行い実行可能性を検証、最終的には豚を用いた動物実験を行う。また、CT透視下手技では術者の被曝が問題となる。仮想手術実験における散乱線量の計測をTLD素子を用いて行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H23年度に実施した穿刺実験を踏まえデバイスの改良を行う。アーム、レールの操作性の改善と素材の再考を行い、様々な手技に応じたスティックの形状を設計し作製する。改良したデバイスとファントムを用いてCT透視下で仮想手技実験を行う。CT透視下手技における術者の被曝量を評価するため散乱線量の計測をTLD素子を用いて行う。
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