2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791459
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
吉岡 宗徳 広島国際大学, 保健医療学部, 助手 (80435057)
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Keywords | 放射線計測 / 3次元計測 / ポリマーゲル線量計 |
Research Abstract |
放射線治療において照射位置精度の管理ツールとして3次元吸収線量を計測できるポリマーゲル線量計がある.しかし国内において十分な普及には至っていない.その主な理由として以下のような原因が挙げられる.ゲル化剤としてのゼラチンの融点が常温付近であり,線量計自体の線量応答特性が温度に左右される.特に温度によりゼラチンが溶けてしまうと線量測定の精度が劣化してしまう.また低線量領域の線量感度が低く,放射線治療でよく使用される2~3 Gy程度の吸収線量の線量分布を評価することが難しい問題があった. 本研究ではポリマーゲル線量計の感度に関する研究を行い,線量計の組成を見直すことで線量計自体の改善を行った.従来のポリマーゲル線量計の感度を上げることにより,より小さな線量差を表現できるよう線量計の改良を試みた.放射線照射では放射線治療で使用される医療加速器を用いて高エネルギーX線を照射し実験を行い,臨床で使用されているMRI(magnetic resonance imaging)装置を使用して応答特性を調査した.また,ポリマーゲル線量計の応答特性を容易に評価するため,従来から作成していた評価用ソフトウェアの改良を行い,MRIから容易に線量に変換するシステムを構築した. 本研究の結果より,改良されたポリマーゲル線量計は低線量域で感度の上昇が認められた.これはより小さな線量差を評価可能できると考えられる.温度特性については従来のポリマーゲル線量計とほぼ同等であった.よってポリマーゲル線量計の組成を見直すことでより小さな線量差が評価可能であることを示唆し,また開発ソフトウェアにより,より臨床で使用可能なポリマーゲル線量計の評価システムを構築したと考える.
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