2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791479
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
稲垣 明子 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 助教 (20360224)
|
Keywords | 膵島移植 / 細胞移植 / 皮下移植 / 血管新生 |
Research Abstract |
膵島移植は1型糖尿病の根治療法であるが、一人の患者の治療に2、3人のドナーを要するという解決すべき課題がある。膵島移植では局所麻酔下に門脈からカテーテルを通して肝臓内に膵島が移植されるが、移植膵島と新鮮血が接触すると激しい炎症反応が起こり、移植膵島の40-50%が破壊される。本研究では新鮮血に直接触れる部位であり、門脈よりもアプローチし易い皮下を移植部位とする、細胞シートによる膵島移植方法の確立を目的とした。 平成25年度は、膵島を高密度に有する膵島シートの作製方法を検討した。前年度までの実験によりラット線維芽細胞と膵島を組み合せた膵島シートの作製に成功した。しかし、膵島の密度が非常に低いため、糖尿病ラットを治癒させるには、より高密度に膵島を含有する膵島シートを作製する必要がある。そこで、高密度、6wellプレートに2匹分の膵島を含有する膵島シート作製方法の検討を行った。実験はラミニンコートしたプレートに膵島を播種し、1日間培養し膵島をプレートに接着させた。次いで、ラット線維芽細胞を播種し、アスコルビン酸含有培地で2-4日間培養してシートを形成させ膵島シートの作製を試みた。線維芽細胞の播種濃度、培地の交換頻度等の条件を検討したが、細胞シート形成過程における膵島のViabilityの低下、シートからの膵島の剥離がみられ、高密度に膵島を含有し、糖尿病を治癒するために十分量の膵島を含む膵島シートの作製は実現出来なかった。このため、平成25年に予定していた糖尿病ラットへの移植実験には至らなかった。
|
Research Products
(5 results)