2011 Fiscal Year Research-status Report
臓器移植拒絶の制御をめざして:新規移植抗原識別受容体MMRの解析と阻害法の開発
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23791505
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
山路 純子 (田代 純子) 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40340559)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 移植・再生医療 / 免疫学 / 遺伝子 / 細胞・組織 / 生体分子 |
Research Abstract |
(1)我々の研究グループでは、MMRの機能を知る為に、MMR遺伝子をin vivoで欠損させた場合の移植免疫への影響や、生理的な役割を知ることを目的として、遺伝的背景がC57BL/6近交系マウスと同一のMMR2遺伝子破壊マウスを、MMR2遺伝子破壊マウス(129sv×C57BL/6系統)に対してC57BL/6近交系マウスとの10世代の戻し交配により樹立した。平成23年度は、このMMR2遺伝子破壊マウスへ移植免疫への影響を知る為に、移植片としてマウス皮膚(H-2Kd Tgマウス・C3H近交系マウス)の移植を用いて検討した。結果、コントロールのC3H近交系マウス皮膚の移植に対し拒絶が見られ、H-2Kd Tgマウス皮膚に対して生着が認められた。(2)我々のグループにおいて、非自己MHCのH-2Ddへの結合能を持つマウスMMR1、またマウスMMRのヒトホモログとして単離されたヒトMMR1 のcDNAを単離した。ヒトMMR1のリガンドは未同定であることから、ヒトMMR1のリガンドについて探索を試みた。ヒトMMR1をタンパクとしてHEK293T細胞に強制発現させ、ビーズに固定したHLAタンパクとインキュベートしフローサイトメーターで解析することにより、80種類のHLA-A,B,Cとの結合試験を行った。結果、(1)この受容体分子のリガンドHLAの1つがHLA-B44であること、(2)10の-9乗 [M]程度と強い結合能を持つことが示唆され、ヒトMMR1が、マウスMMRと同様にMHCに対する結合能を持つことが示された。現在、これらの成果を英論文として学術雑誌に投稿を準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度の計画において、新規H-2Kd受容体のMMR2遺伝子破壊マウスに対し、移植免疫への影響を知る事を目的として、コントロールのC3H近交系マウス皮膚や、H-2Kd Tgマウス皮膚の移植を実施した。今後、更に他のアロ移植片の各種マウス皮膚(H-2Dd Tgマウス・H-2 DdKd Tgマウス・B10D2コンジェニックマウス・BALB.Bコンジェニックマウス等)の移植による検討が本計画に必要である。現在、これらの計画を進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力者2名とともに計画を推進する予定である。1. MMR2遺伝子破壊マウスに対する皮膚移植の実験(平成24年度計画:実験系1)については、研究協力者の前田 省吾(大学院生:本学 形成外科学)とともに実施を計画している。2. ヒトMMRの性質の解析(平成24年度計画:実験系2)については、研究協力者の山名 秀典(大学院生:本学 消化器外科学)とともに実施を計画している。以下に変更後の平成24年度の実験計画(昨年度の遅延した計画を含む)を示す。実験系1 遺伝子ノックアウトマウスに関する計画:MMR2遺伝子破壊マウスに対しアロ移植片として(1)各種マウス皮膚(H-2DdTgマウス・H-2 DdKd Tgマウス・B10D2・BALB.Bコンジェニックマウス等)の移植や(2)アロMHCのH-2DdやH-2Kdをそれぞれ単独に強制発現させた同種同系(H-2b)のEL-4腫瘍細胞の移植により移植免疫への影響を検討する。(2)については我々が樹立したH-2DdまたはH-2Kd発現EL-4細胞を用いる。実験系2 ヒトやマウスのMMR1・MMR2の性質の解析に関する計画(1)ヒトやマウスのMMRの発現抑制機序の解析:免疫細胞が含まれる末梢血単核球におけるMMRの発現を、MHCリガンドを発現している個体とそうでない個体においてRT-PCR法で調べる。(2)ヒトMMRのリガンドの探索と同定:ヒトMMRをHEK293T細胞に発現させ、その後、各種HLAハプロタイプのHLAタンパクの固定化したビーズを用いて、ヒトMMRに対するリガンドHLAを同定する。次に同定したリガンドの結合の強さを調べるために、蛍光標識されたリガンドHLAの五量体タンパクを用いて、フローサイトメーター(BD FACSAria 大阪医科大学研究機構(学内共同機器))で解析することにより結合力(解離定数Kd)を解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額の137,290円については、平成23年度に予定をしていた「遺伝子ノックアウトマウスに関する計画」内の、MMR2遺伝子破壊マウスを用いた皮膚移植による移植免疫への検討において、若干遅延が生じたため、平成24年度の研究計画に組み込まれた「実験系1(1)」(推進方策欄)に使用を予定している。また、平成24年度研究費の使用予定額については、「実験系1(2)、実験系2(1)・(2)」(推進方策欄)の計画に対して交付申請書の通りに予定しており、内訳は、物品費として700,000円(細胞生物学実験の試薬消耗品・器具類・研究関連消耗品に300,000円、分子生物学実験の試薬消耗品・器具類・研究関連消耗品に350,000円、実験動物やその関連消耗品等に50,000円)、学会旅費として50,000円、その他(印刷費・研究成果投稿料等)として50,000円を予定している。
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Research Products
(6 results)