2014 Fiscal Year Research-status Report
臓器移植拒絶の制御をめざして:新規移植抗原識別受容体MMRの解析と阻害法の開発
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23791505
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
山路 純子(田代純子) 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 准教授 (40340559)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 移植・再生医療 / 免疫学 / 遺伝子 / 細胞・組織 / 生体分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
MMR2は我々のグループによりマウスのcDNAから発現クローニングを用いて単離された分子であり、種異系(アロ)MHCのH-2Kdへの結合能を持つ受容体である。ヒトMMR2は、マウスMMR2のヒトホモログとして、ヒト末梢血単核球cDNAからクローニング・単離された受容体分子である。ヒトMMR2はHLA-B62(B15)に結合を示し、同種異系(アロ)MHCへの結合能が示唆される新規受容体分子である。平成26年度においては、HLA-B62(B15)の他、新たな2種類のリガンド候補HLAが示唆されたことから、これらの結合の強さを検討するため、GFP融合タンパクとして恒常発現させた細胞株、可溶化GFP融合タンパク、または末梢血単核球を用いてフローサイトメーターによる結合試験により解析した。その結果は以下の通りである。(1)ヒトMMR2は、80種類のHLAの内、HLA-B62(B15)、HLA-B13、HLA-A32に対する特異的結合が示され、MHCに対する結合能が示唆された。(2)MMR2を持つ被験者、又は、MMR2を持たない被験者の末梢血単核球を用いてHLA-B62(B15)に対する解離定数[Kd]を求めた所、MMR2を持つ被験者の末梢血単核球の[Kd]は10の-9乗{M]とマウスMMR2と同程度の強い結合を示した。MMR2を持たない被験者の末梢血単核球では結合が認められなかった。これらの成果は英論文として学術雑誌に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度の計画内のMMRの解析に関する計画においてマウスや細胞の試料の調達の遅延が生じたことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、以下に実験計画(昨年度の遅延した計画を含む)を示す。 MMRの生体や組織における発現とその役割の解析についてマウスMMRの解析に関する計画として、生体におけるMMRの役割をさらに検討するため、マウスの組織や培養細胞におけるMMRの発現動態や表現型の解析を比較検討する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額の727,839円が生じた理由は、平成26年度に予定をしていたMMRの生体や組織における発現とその役割の解析の検討において、実験に必要な試料(マウス、細胞)の調達の遅延が生じたことによる(補助事業期間延長)。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額の727,839円については、平成26年度の研究計画に組み込まれていた実験系(推進方策欄)に使用を予定している。内訳は、物品費として577,839円(細胞生物学実験の試薬消耗品・器具類・研究関連消耗品に100,000円、分子生物学実験の試薬消耗品・器具類・研究関連消耗品に420,000円、実験動物やその関連消耗品等に57,839円)、その他(印刷費・研究成果投稿料等)として150,000円を予定している。
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Research Products
(3 results)