2012 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌細胞株に対するヒト絨毛性ゴナドトロピンを用いた革新的な乳癌治療法の開発
Project/Area Number |
23791506
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
圦 貴司 関西医科大学, 医学部, 講師 (50330212)
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Keywords | ヒト絨毛性ゴナドトロピン / 乳癌 / 性ホルモン / ホルモンレセプター |
Research Abstract |
1. ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)のヒト乳癌細胞株KPL-1の増殖に及ぼす影響 hCGのin vitroにおける細胞増殖抑制効果について、luminal A subtypeであるヒト乳癌細胞株KPL-1を用いたMTT-assay法で検討を行った。100 IU hCGを添加した培地を用いて培養したKPL-1の生細胞数は、生食のみ添加した対照群と比較し、24時間後では86%、48時間および72時間後では75%に減少した。150 IUおよび200IU hCGを添加した培地を用いて同時間の培養を行ったところ、86%以下のKPL-1生細胞数の減少が認められず、100 IUのhCG濃度がヒト乳癌細胞株KPL-1に対して、最も増殖抑制作用が強いことが判明した。 2. ヌードマウス移植KPL-1細胞の増殖に及ぼすhCGの効果 4週齢雌BALB/cヌードマウスにをA:対照群、B:100 IU hCG投与群、C:hCG前処置細胞移植群3群にわけ、各群のヌードマウスに1×107のKPL-1細胞を乳腺脂肪織内に移植した。B群にはKPL-1細胞移植後、100 IU hCGを連日腹腔内投与し、A群には同量の生理食塩水のみを投与した。C群には100 IU hCGを添加した培地を用いて48時間培養後の同数のKPL-1細胞を移植した。KPL-1細胞移植後5週間後に移植した腫瘍および生殖器を摘出し、腫瘍の湿重量を各群で比較したところ、A群は1185±13mgであったのに対し、B群は774±151mgと有意に減少した。5週後のC群の移植腫瘍の湿重量は861±323mgとA群と比較して減少傾向であったが、各群と有意な差をみなかった。卵巣の病理学的検索では、B群の卵巣では他の群と比較し、黄体が多く形成されていた。
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