2013 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮前駆細胞の機能強化と磁気誘導による次世代型血管新生療法の開発
Project/Area Number |
23791509
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
仲吉 孝晴 久留米大学, 医学部, 助教 (90511824)
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Keywords | 血管新生療法 / アポトーシス / 酸化ストレス / FOXO |
Research Abstract |
我々は重症虚血下肢を救済すべく、前血管新生細胞(early pro-angiogenic cells:EPCs)の筋肉内投与による血管新生療法を実施しているが、十分な効果が得られない例も経験する。その理由の一つとして虚血筋組織内の酸化ストレスによるEPCsの生存能低下が考えられる。最近FOXO4 (Forkhead transcription factor 4)が酸化ストレスによるEPCsのアポトーシスに関与していることが報告された。そこで我々はEPCsのFOXO4発現を予めノックダウンすることで、虚血肢に投与されたEPCsの抗アポトーシス能および血管新生能が増強できるかを検証した。 ヒト末梢血中の単核球細胞からEPCsを分離培養し、magnetofection法でFOXO4 siRNAを導入しFOXO4ノックダウンEPCsを作製した。同EPCsはin vitroにおいて酸化ストレスに対するアポトーシスが抑制され、EPCs内のアポトーシス促進蛋白であるBimELやcleaved caspase-3の発現も減少していた。また同EPCsをラット虚血肢に筋注投与したところ、アポトーシスの抑制によって生存能が増強した結果、血管新生効果が増強された。また、その虚血肢において、VEGF、b-FGF、SDF-1、IGF-1の発現が亢進しており、より多くのEPCsが虚血肢組織内の内皮細胞内に取り込まれていることが明らかとなった。 FOXO4をノックダウンすることでEPCsの酸化ストレスに対する抗アポトーシス能力を高めることができ、既存の血管新生療法の効果を増強させる新たな手段となり得る可能性がある。
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