2011 Fiscal Year Research-status Report
マイクロRNA網羅的解析を用いた胃癌腹膜播種転移の分子機構解明と新規治療法開発
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23791525
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
奥川 喜永 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (30555545)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 胃癌 / 腹膜播種 / マイクロRNA |
Research Abstract |
消化器癌転移メカニズムの解明と克服法の確立は生命予後改善に大きく貢献する。癌細胞原発巣からの遊離、転移巣での接着、浸潤と増殖、血管新生の各過程に多数の転移促進・抑制分子群が関与している。これには癌細胞側で異常が認められる細胞接着・運動や増殖等の制御分子群だけでなく、転移臓器に特異的な微小環境条件が存在し癌細胞の臓器選択性と親和性を規定する分子群が想定されるが未解明な部分が多い。そこで本研究では、癌転移、とりわけ胃癌腹膜播種転移の分子シグナル機構の解明を目的として腹膜播種高発現胃癌細胞株と胃癌同時性腹膜播種を認めたhuman clinical sampleを中心としたmiRNA解析とcDNA発現解析により癌転移の臓器特異的なシグナル分子を同定することを目的とする。 本年度は、胃癌にて当院で切除された摘出標本99例から胃癌組織と正常組織からmiRNAの抽出とcDNA化を行い、realtime PCRにて測定し、その発現と臨床病理学的因子の検討を行った。胃癌組織におけるmiR-151-5p発現は臨床病理学的因子では腫瘍径、深達度、脈管侵襲、リンパ管侵襲、リンパ節転移などとの相関は認めないものの、腹膜播種群と有意な相関を示し、発現高値群で生存率の低下を認めた。比例ハザードモデルによる多変量解析でも、腹膜播種とともに、 miR151-5p高発現が独立予後規定因子を示した。また胃癌組織におけるmiR151-5p高発現は予後不良因子となり、腹膜播種進展に関与している可能性が示唆された。来年度はin situ hybridizationを行い、胃癌組織における発現局在を確認するとともに、この機能解析をin vivoを中心に鋭意、実験を計画的に進めている。また、胃癌組織におけるcDNA発現解析と臨床病理学的因子の検討も並行して遂行し、国内外の学会や論文等で発表を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでにいくつかの遺伝子発現解析においては有意なデータを認めており、これを報告している。またmicro RNAの解析はすでにcinical sampleからのmicro RNAの抽出も終了しておりすでに測定を開始。今年度、さらなる解析を進める必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、昨年度に抽出し終えたmicro RNAの解析を中心にその機能解析と、遺伝子発現解析を並行して進め、あらたなtargetの癌進展への機序を解明し、そのvitro, vivoでの証明を鋭意進めていく。また、腹膜播種高発現株作成に関しては、手技的にもcontaminationのリスクと生着率の低さが問題となっており、今年度、鋭意、実験を進めていく必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
<上記腹膜播種関与候補miRNA群の機能解析(In vivoでの腹膜播種関与の確認)> 上記候補miRNAのそれぞれのpre-miRs, anti-miRs, Negative Control precursor and inhibitor miRNAs(Ambion)を購入し、これをMKN-7, MKN-45, KATO-IIIにlipofectamine 2000を用いてtransfectionしたoverexpression, knochdown, negative controlとなる細胞株を作成,ヌードマウスに腹腔内注入し、腹膜播種の形成への影響を確認する。<5)で腹膜播種形成に関与することが証明されたmiRNAに調節されるmRNAの検索> 上記5)で腹膜播種形成に関与することが確認されたmiRNAをstable knckdownした細胞株とknockdownしていない細胞株(control)からcDNAを作成し、gene tipを用いたmicroarrayを施行。上記5)で確認されたmiRNAに調節されるmRNA候補群を確認する。<上記腹膜播種関連遺伝子(mRNA)の機能解析:In vitro>・cell proliferation assay ・colony formation assay ・migration assay ・invasive assay ・anoikis assay など<上記腹膜播種関連遺伝子の機能解析(mRNA):In vivo> 上記候補遺伝子をMKN-7, MKN-45, KATO-IIIを用いてstable knockdownした細胞株を作成する。上記のknockdown細胞株と対象群をそれぞれヌードマウスに腹腔内注入し、腹膜播種の形成への影響を確認する。
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Research Products
(4 results)