2011 Fiscal Year Research-status Report
胃癌におけるCFL1発現の臨床病理学的意義とその分子機構の解析
Project/Area Number |
23791526
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
角田 茂 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60597300)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | 胃癌 / CFL1 |
Research Abstract |
京都大学消化管外科にて胃癌手術を施行した患者より、十分なインフォームドコンセントのもと、血清を採取し、東レ株式会社との共同研究により確立されたELISA法によるCFL1の高精度測定系を用いてCFL1の測定を行っている。現在はまだサンプル数を増やしている段階であり、一定数の集積が得られたのち、データーの解析を行いたい。過去の肺癌における報告ではin vitroでCFL1のmRNAレベルとCDDPに対する薬剤耐性が有意に相関したとされており、当科において施行している、TS-1+CDDPによる術前化学療法施行患者における血清CFL1値と術前化学療法の効果・化学療法感受性との関連についても、サンプルを継続採取しており、一定の検体数に達し次第ELISA法によるCFL1の高精度測定系を用いて検討を行う予定である。胃癌切除標本におけるCFL1タンパクの発現に関しては、これまでに免疫組織化学染色の染色条件を決定し、胃癌における発現と正常組織における発現パターンを確認済みである。今後は検体数を増やして、CFL1発現の有無およびその臨床病理学的因子との比較検討を行い、胃癌におけるCFL1分子の胃癌の悪性化、浸潤、転移過程などへの関与を研究予定である。胃癌細胞株におけるCFL1タンパクの発現や意義に関しても現在、スクリーニング中であり、今後は、CFL1のsiRNAを用いたknock downなどにより、細胞増殖や浸潤能などに関する発現型の変化を観察し、CFL1分子の胃癌における悪性化、浸潤、転移過程などへの関与、治療ターゲットとしての可能性を検索する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は2年間を通しての血清サンプル集積と解析を施行予定している。免疫組織化学染色による正常胃および胃癌におけるCFL1発現パターンについては現在解析を行っており、今後検体数を増やしての検討を予定している。これまでのところ、おおむね順調な進捗状況と考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究はアクチンリモデリングタンパクであるCFL1の、胃癌における発癌および転移・進展過程における意義とそのメカニズムを明らかにすることを目的とし、臨床サンプルと臨床病理学的なデータの検討など臨床面主体の研究と分子生物学的手法をもちいた基礎研究の二つのパートに分かれており、次年度も両者を並行して進めていく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、サンプル集積が済み次第、検体の測定や解析を行う予定であり、おもに消耗品に対して使用していく予定である。
|