2011 Fiscal Year Annual Research Report
Bcl-2関連タンパクを標的とした食道癌に対する新規分子標的治療の開発
Project/Area Number |
23791533
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
恵美 学 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (30464308)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | アポトーシス / small molecule inhibitor / 食道癌 |
Research Abstract |
【はじめに】本研究はアポトーシス誘導性タンパク質であるBH3-onlyサブファミリーの活性を模倣した小型の阻害剤分子(Small molecule inhibitor)による、Bcl-2関連タンパクを標的とした、食道癌に対する新たな分子標的治療の開発を目的とした。 【方法と結果】Bcl-2およびBcl-xL高発現食道癌細胞株を用いまずABT-263投与にてBcl-2関連蛋白の発現が低下することをwestern blot法にて確認した。続いて同細胞株にCDDP, 5-FU, docetaxel, Paclitaxelの単独投与と佃T-263を併用した群をclonogenic assayにて比較したところいずれも抗がん剤の感受性の亢進を認めタキサン併用群がより感受性が亢進することが示された。Western blot法を用いアポトーシス関連蛋白の発現を解析したところ、併用群はよりBcl-xLの発現が低下していた。Mcl-1においてはCDDP, 5-FUとABT-263併用群では発現の低下は軽度であったがdocetaxelやPaclitaxelとの併用にて発現が著明に低下していた。 【考察】Bc1-2関連タンパク阻害分子であるABT-263による食道癌細胞株における抗癌剤感受性の増強効果が確認され、とくにその効果はタキサン系抗癌剤との併用で顕著であった。その理由としてタキサン系抗癌剤によるMcl-1抑制がABT-263によるアポトーシス誘導効果を増強させたことによるものと推察された。
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