2011 Fiscal Year Research-status Report
膵癌抑制効果を有する特異的間質細胞の同定および新規膵癌治療法の開発
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23791544
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森山 大樹 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 共同研究員 (70586859)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 膵癌 / 膵星細胞 |
Research Abstract |
最近の癌研究の知見では、癌細胞だけでなく周囲の微小環境(ニッチ)の重要性、癌間質相互作用の重要性が注目されている。申請者らは膵間質に存在する膵星細胞(pancreatic stellate cell; PSC)とその成熟型である膵線維芽細胞に注目した。一部間質細胞に癌に対して抑制的に働くものが存在する可能性があることが明らかになってきた。そこで、本研究では膵癌の進展に対して抑制的に作用する特定の間質細胞集団およびその責任分子を同定し、それらを応用した新規膵癌治療法の開発を行うことを目指した。本年度は以前よりすすめてきたヒト膵癌組織からの膵星細胞の樹立をさらに進め、最終的に当研究室で50株以上を樹立し所有するに至った。それらに対し、膵癌細胞に影響を与えうる膵星細胞のマーカーとして期待されるCD10、CD29、CD44、CD90、CD105、CD117、CD271、CD280、Stro-1、VEGFR1などの多数の表面マーカーの発現解析を行い、CD271、Stro-1、VEGFR1を選出した。この中で申請者が判明させたものとして、CD271が癌細胞との共培養によって細胞内でメッセンジャーRNAが増加し、しかし共培養の一定時間を過ぎることによって急速に減少していくことが確認できた。さらに機能に特化した解析を行うため、Invasion assayを応用した当研究室独自の方法により浸潤細胞・非浸潤細胞での分取を行った。この実験の結果として非浸潤細胞においてCD271は高いという特筆すべき結果を得た。また予後調査によって当研究室での膵癌切除症例においてCD271高発現症例が予後良好であったことより、CD271が癌抑制に関与する因子として間違いないであろうことを確信している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
膵星細胞の機能解析を現在進めており、また当研究室では膵星細胞のセルソーターおよびAutoMACsを用いた分取技術を確立している。しかし、今年度の目標であったマイクロアレイに関しては、同一個体からの正常膵由来膵星細胞と癌部分由来膵星細胞の機能解析において大きな差異がみられないことより至っていない。また、NOGマウスでなくさらに宿主免疫の影響除外のためSCIDマウスを用いたが、腫瘍樹立の後にprimary cultureを試みるも早期の段階でヒト由来膵星細胞が消失してしまうため手技の確立に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の今後は癌細胞抑制PSCの純化が必要と考えられる。それにあたり問題点は膵星細胞のPhenotypeに応じた分取後に早期にもとの発現率へ戻ってしまうこと。またマウスにおいて癌細胞との共移植後に再純化を試みるも、癌細胞の増加速度が強いためか膵星細胞が残らないことによる。対応としては分取後早期の実験使用や、shRNAによる導入、およびマウスより摘出時に迅速に破砕、細胞分取を行うことでの純化培養を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は当初より予定していたマイクロアレイによる癌促進的あるいは抑制的に働く特定のPSC・線維芽細胞に対して、遺伝子発現の違いを解析し責任遺伝子を明らかにすることを目標とする。また、膵星細胞へのshRNAによる導入、そしてマウスへの移植の上で純化培養を目指す。
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Research Products
(7 results)