2012 Fiscal Year Annual Research Report
幹細胞ニッチからの食道扁平上皮癌リンパ節転移機構の解明と治療
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23791553
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
喜多 芳昭 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 特任助教 (30570692)
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Keywords | 微小環境 / 癌幹細胞 / マイクロアレイ / 細胞実験 |
Research Abstract |
①Laser micro dissection法とoligomicroarrayを用いて,幹細胞ニッチに関わる遺伝子を抽出した.これらの抽出同定した遺伝子群の中には,上皮-間質転換(EMT)と関連する遺伝子が含まれていた.近年,癌幹細胞(CEC)遺伝子発現解析を行うと, EMTを誘発した際に観察される遺伝子発現形式に酷似しており,さらに上皮系癌細胞においてEMTを人為的に誘導すると癌幹細胞様の形質を獲得することが判明し,CSCとEMTは密接な関係があるという結果が報告されている.本研究で抽出同定した遺伝子群の中にも,EMTと関連する遺伝子が含まれており,食道扁平上皮癌においても,CECとEMTの強い相関関係が示唆された. ②抽出した遺伝子群の中から,細胞周期に関係する1遺伝子を同定した.手術切除組織の臨床検体による発現解析を終了し,si RNAを用いた癌細胞株に対する抑制実験を行った. ③抽出した遺伝子群には,糖代謝に関連する遺伝子Glut-1が含まれており,食道扁平上皮癌切除標本を用いて,Quantitative PCR法,免疫染色方法,western blottingで発現を再確認した.癌幹細胞では嫌気性糖代謝が亢進していることから,糖代謝利用したPET検査の結果を用いることによって臨床的方面から解析をおこなった.この2つの結果から,食道表在癌におけるPET検査の意義として論文発表を行った. ④ペンシルベニア大学(USA)との共同研究において,幹細胞のself-renewalに強く関連するSox2が上皮前駆細胞の存在するStat3と協調して食道扁平上皮癌発癌に関与することを論文発表した.
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Research Products
(6 results)