2011 Fiscal Year Research-status Report
II型肺胞上皮及びiPS細胞を利用した肺再生療法の開発
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23791561
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
坂入 祐一 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (30551949)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 肺再生 / II型肺胞上皮 |
Research Abstract |
術前に同意を得た患者から臨床切除肺の一部を検体として採取し、酵素法および濃度勾配重層遠心法等にてヒトII型肺胞上皮細胞(AT2)を主とする細胞群を分離した。これを短期培養しFlow Cytometryにより肺胞上皮マーカーの変遷を検索した。単離したAT2は培養とともにI型肺胞上皮細胞(AT1)の形質を有するようになり、一部はAT1・AT2両方の形質を有する細胞が検出された。 9週齢F344/NJcl-rnu/rnu ratに左肺全摘手術を行い、術後1日目にヒトAT2(分離培養後1日目または7日目)を気管内異種移入(2.5E+6/個体)し、1ヶ月後に犠牲死することで異種移植モデル肺を作成した。固定肺の切片を作成し、これにヒト特異的抗体を用いた免疫染色を行うことでヒトAT2の生着を検討した。モデル肺では注入したAT2の一部が肺胞壁を形成しており、動物肺の一部にヒト細胞が組み込まれていることが確認された。さらにRT-PCRでAT2移入後の肺の遺伝子発現を確認したところ、ヒト特異的なプライマーでAT1,AT2両方のマーカーが発現していることが確認され、さらに7日間培養した細胞を移入したモデルの方がAT1のマーカーが強く発現していたことが確認された。 以上のように本研究で得られたAT2を主とする細胞ソースは肺胞構築能を有しており、術後肺にAT2を補充することは肺手術後の再生や保護に有用となる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に則りヒト切除肺からII型肺胞上皮細胞を分離培養し、I型肺胞上皮細胞へ分化する培養方法を確立した。さらにヒト細胞を異種移植動物に経気道移入するモデルを作成し、同モデルで肺にヒト細胞が生着していることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究で得られたII型肺胞上皮細胞とI型肺胞上皮細胞のマイクロアレイによるII型肺胞上皮の分化マーカーを解析したデータをもとに、候補となる分化関連遺伝子を選択する。これをiPS細胞に遺伝子導入することで肺細胞への分化を促し、iPS細胞による肺胞細胞の分化誘導、作成を試みる。このようにして得られたiPS-肺胞上皮細胞を本年度の研究で確立した動物モデルに注入することで、肺再生の可能性を探る。さらに、本研究で使用した呼吸器外科手術後肺モデル(肺全摘モデル)以外にも、同様の術後モデルとして肺移植モデルなどのマウスも作成しあわせて本検討に組み込む予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
iPS分化誘導に関する因子や培地の購入、それに伴い必要な物品購入を予定する。並行して、動物モデルの作成にかかる費用も研究費より捻出予定である。そのほか、情報収集や結果報告のための学会参加や論文化に必要な費用も予定している。
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