2012 Fiscal Year Annual Research Report
II型肺胞上皮及びiPS細胞を利用した肺再生療法の開発
Project/Area Number |
23791561
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
坂入 祐一 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (30551949)
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Keywords | 肺再生 / II型肺胞上皮細胞 |
Research Abstract |
術前に同意を得た患者から臨床切除肺の一部を検体として採取し、酵素法および濃度勾配重層遠心法等にてヒトII型肺胞上皮細胞(AT2)を主とする細胞群を分離した。これを短期培養しFlow Cytometryにより肺胞上皮マーカーの変遷を検索したところ、単離したAT2は培養とともにI型肺胞上皮細胞(AT1)の形質を有するようになり、一部はAT1・AT2両方の形質を有する細胞が検出された。 9週齢F344/NJcl-rnu/rnu ratに左肺全摘手術を行い、術後1日目にヒトAT2(分離培養後1日目または7日目)を気管内異種移入(2.5E+6/個体)し、1ヶ月後に犠牲死することで異種移植モデル肺を作成した。固定肺の切片を作成し、これにヒト特異的抗体を用いた免疫染色を行うことでヒトAT2の生着を検討した。モデル肺では注入したAT2の一部が肺胞壁を形成しており、動物肺の一部にヒト細胞が組み込まれていることが確認された。さらにRT-PCRでAT2移入後の肺の遺伝子発現を確認したところ、ヒト特異的なプライマーでAT1,AT2両方のマーカーが発現していることが確認され、さらに7日間培養した細胞を移入したモデルの方がAT1のマーカーが強く発現していたことが確認された。 以上のように本研究で得られたAT2を主とする細胞ソースは肺胞構築能を有しており、術後肺にAT2を補充することは肺手術後の再生や保護に有用となる可能性が示唆された。現在、ヒト由来のiPS細胞株(253G1)の培養・維持を開始し、安定した培養の系を確立しており、これらのiPS細胞をもとにしたII型肺胞上皮細胞の分化誘導、および人工的に作成されたcell sourceを用いた同様のモデル作成、miRNAをもとにした癌化および分化調整因子の解析を次の研究課題(#20648349)にて継続して検討中である。
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