2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791578
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
高田 宗尚 国際医療福祉大学, 大学病院, その他 (20459514)
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Keywords | 自動吻合 / 大動脈 / 人工血管 |
Research Abstract |
本研究の目的は自動吻合器を用いた大動脈-人工血管の端々吻合の確立であった. 平成23年度においては成豚大動脈に対する自動吻合の準備として,巾着吻合についての工夫を検討した.課題として明確になった点は,自動吻合器のカートリッジ内に確実に吻合端が収納するように縫縮することであり,いくつかの方法を再検討することにより達成した.そのうえで全身麻酔下の成豚に対し本法を試みたが,狭い術野で伸縮性に富んだ豚の大動脈では巾着吻合が課題であることが判明した. 平成24年度の研究においては,心臓手術トレーニングシステム「BEAT」を導入し,狭く深い術野で心拍動下の状態で巾着縫合を短時間で終了する方法を検討した.また大動脈弁形成術で用いる弁形成機材を用いた大動脈径測定法を検討し,自動縫合器のサイズにフィットした巾着縫合法を編み出し,有効な巾着縫合法を可能とした.その結果全身麻酔下(Beating下)の成豚下行大動脈に自動吻合器を用いて人工血管を端々吻合する術式を確立することができた. 研究の主目的である自動吻合器を用いた大動脈-人工血管淡々吻合は再現性をもって確立することはできたが,下行大動脈が細径であり人間で使用しているcircular staplerが大きすぎること,またなるべく太い大動脈部位での吻合を試みると単純遮断に豚の心臓が耐えられないことから,吻合後の出血量測定,吻合部の造影検査,吻合部の病理学的評価は行えなかった.すなわち2番目の目標である吻合後の評価については,今後の課題となった.腸管吻合などで使用されている現存のstaplerを血管手術に応用するため,器具の開発などを検討する必要がると考える.
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