2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23791579
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
川島 友和 東邦大学, 医学部, 講師 (00328402)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 米国 / 臨床解剖 / 比較解剖 / 心臓神経 / 刺激伝導系 |
Research Abstract |
本研究の目的は、近年増加傾向にある心臓弁膜症外科における弁形成術・置換術のさらなる機能温存術式確立のために臨床解剖学的見地より検討を行う事である。その際、様々な観点から検証するために、個体発生学的ならびに系統発生学的視点を導入し、(1)本来どういった構造物が形質的に重要であるかを検証する事、(2)これまで主に実験医学によって使用されていた実験動物にはヒトと大きな形態学的差異が存在する事より、そのギャップを埋める為・理解する為・臨床応用する際の翻訳の為、などに必要な比較解剖学的知見も提示する事、などの基盤データを作成する事も本研究の大きな特徴である。 本年度は、心臓弁膜症の中でも特に近年著しく増加している大動脈弁膜症のための臨床解剖学的解析に着手した。大動脈弁置換術の際に行われる切開部位はどの当たりが解剖学的に妥当であるかという事をヒト成人遺体11例(~平成24年4月現在)を対象にマクロ解剖学的解析を行った。特に心臓を制御する構造物としてこの周囲には冠状動脈神経叢を分枝する心臓神経叢の主要部が存在し、個体間での多くのvariationを認めた。また、さらなる詳細な解析のために現在、神経特異性の抗体を用いた免疫組織学的検討も行っているところである。さらには、心臓自律神経系の系統発生学的解析においては、主要な実験動物を含む齧歯類や分子系統進化学的に齧歯類とヒトとの間に位置する霊長類を対象とした解析を行った。 最終的に、本年度ではヒトでの臨床解剖学的解析の一部と系統発生学的解析の一部を発表論文として刊行した(Kawashima, 2011; Kawashima and Sasaki, 2011; Kawashima and Thorington, 2011)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した通り、本年度は(1)大動脈弁置換術のための臨床解剖学的解析、(2)実験動物を対象とした比較解剖と画像解剖学的検討、(3)その統合的理解の為に様々な哺乳類を対象とした比較解剖と画像解剖学的検討であり、すべての項目に関して順調に解析を行っている。しかし、年度途中において所属先変更に伴い、時間が取られた事で予想していた程にはサンプルサイズを得る事ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通りに研究を行うことで十分な成果が得られることが期待されるため、大きな変更はありません。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度の予算から次年度へ810,430円分の繰り越し予定でありますが、実際には研究計画の記載通りに2012年1月7日より2月4日までニュージーランドへ海外出張を行っております。その予定額は524,943円であり、現在手続き中でありますので、それを差し引いた285,487円が実際の繰り越し相当額となります。その繰越額と次年度支給額を使用し、CTやMRIなどの画像解析なども行いつつ、次年度研究を行う予定であります。
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Research Products
(4 results)