2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791579
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
川島 友和 東邦大学, 医学部, 講師 (00328402)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 臨床解剖 / 比較解剖 / 心臓神経 / 刺激伝導系 / 弁膜症 / 米国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、将来のさらなる心臓外科の発展のために急増している弁膜症に注目し、機能温存術式確立のための臨床解剖学的解析を行う事である。 最終年度は、根治性が高く低侵襲であるカテーテル治療(昨年度末に本邦へも導入された経カテーテル大動脈弁埋込み術 :TAVI)との対比を行う事も視野に入れた。これは深刻なTAVI術後合併症の1つである伝導障害を回避するための検討である。しかし、①刺激伝導系の解剖学的特性からは人工弁高や位置を多少変動させても多くの例で伝導障害は起こりやすく回避する事は難しい事や②冠動脈口が低い我々アジア人には新しく提唱されたTAVI弁の中でJenaValveが適当である事などが解剖学的に示された。伝導障害回避という点では、これまでのデータが示すように直視下で行える外科的弁置換術の方が優れているともいえる。これら結果を、国際学会での発表ならびに循環器分野のトップジャーナルの1誌であるInt J Cardiolで説明した。さらには弁置換術のための基本的解剖記載として国内誌にて解説ならびに国内学会にて発表も行った。 加えて、これまでの総括として不明な点の多く、トピック性のある三尖弁弁膜症のための途中経過報告として三尖弁形成術のための臨床解剖学的検討を取りまとめ、学会発表を行った。さらには、これまでの動物実験結果をヒトへ応用するための基盤データ構築のための比較解剖学的データ収集等も行った。また、臨床医の飛躍的理解のために可能な限り共通ツールとしての画像解析を用いた立体配置を示す事にも努めた。 以上の結果を踏まえて、今後、大動脈弁置換術ならびに三尖弁形成術のための機能温存術開発のための臨床解剖学的検討をそれぞれとりまとめ、国際学術雑誌への投稿を準備していく。4年間での研究発表を振り返ると、その成果は十分であると考えられるが、さらなる成果発表を継続していきたい。
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Research Products
(6 results)