2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23791580
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
重松 義紀 産業医科大学, 医学部, 助教 (10546469)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | 肺癌 / 腫瘍免疫 / 免疫逃避機構 / 制御性T細胞 / HLA class I / Foxp 3 / 定量的PCR |
Research Abstract |
肺癌の免疫逃避機構の解明を行うため、肺癌患者における腫瘍内、所属リンパ節や、末梢血リンパ球また腫瘍組織内での制御性T細胞の発現を検出する系を確立することを目的に実験を行っている。非小細胞肺癌患者における、手術検体より凍結保存していた所属リンパ節リンパ球および末梢血リンパ球を解凍し、細胞内FACSにてFoxp3陽性T細胞を検出した。2003年1月より2006年までの手術症例で所属リンパ節リンパ球および末梢血リンパ球の保存が可能であった症例について細胞内FACSを進めている。現時点で84例については解析が終了しており、所属リンパ節リンパ球では4.4%の発現であるのに対して、末梢血リンパ球では2.8%と有意に所属リンパ節リンパ球にて、制御性T細胞が多いことが判明している。更に症例を増やして現在解析中で、今後予後との相関などを調べていく予定である。 また腫瘍浸潤内および所属リンパ節の制御性T細胞を評価するため、腫瘍組織内および所属リンパ節のFoxp3の発現を検出するために、それぞれのmRNAを抽出し、定量的RT-PCRにてFoxp3を検出する系を確立することを行った。条件設定を行うために、細胞内FACSにて高い制御性T細胞の発現を認めた腫瘍浸潤リンパ球よりmRNAを抽出し、ポジティブコントロールとした。Foxp3の遺伝子配列を元にプライマーの作成を行い、定量的RT-PCRを施行した。希釈系列を用いて、定量的RT-PCRを行ったところ、1/1000の希釈系列まで、検出可能であった。また正常組織での発現を解析した。この条件設定を元に、肺癌組織および所属リンパ節のmRNAの抽出を行い、Foxp3の発現を定量的RT-PCRにて解析を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HLA class Iの免疫染色については、染色は終了し現在評価を行い臨床因子との関連を解析している。Foxp 3を解析するため定量的PCRの条件設定に時間を要したが、安定して測定できるようになった。腫瘍抗原の同定については、腫瘍抗原をコードする遺伝子と単離したが抗原エピトープを検索しているところである。
|
Strategy for Future Research Activity |
腫瘍組織、所属リンパ節における制御性Tリンパ球をFoxp 3を指標とした定量的PCR及びフローサイトメトリーの2つの手法にて評価を続け、その臨床的意義を明らかにする。さらに免疫逃避機構の1つとしてHLAの発現異常について解析をすすめ肺癌切除例において腫瘍抗原の発現とHLA発現異常の関連及びその臨床的意義について検討する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
制御性T細胞を解析する定量的PCRの試薬・ディスポ製品および学会発表・論文投稿などに使用します。
|
Research Products
(4 results)