2011 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子導入神経幹細胞移植モデルを使用した膠芽腫に対する新たな治療標的分子の探索
Project/Area Number |
23791588
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
玉瀬 玲 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (10595458)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | グリオーマ / 幹細胞 / マウスモデル / 分子標的 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
【目的】脳原発腫瘍であるグリオーマの中でも膠芽腫は極めて予後不良の腫瘍である。近年グリオーマ幹細胞が同定され、これが膠芽腫再発の原因であると考えられている。本研究では我々が独自に開発した遺伝子導入神経幹細胞を移植したマウスグリオーマモデルを用いて、グリオーマ幹細胞に特異的な発現分子を探索し新たな治療標的分子を同定する。【方法と結果】マウスグリオーマモデルからGFPで標識したグリオーマ幹細胞(GFP陽性細胞群)と陰性細胞群を細胞分離器 (FACS)を用いて抽出した。正常マウスへの二次的な移植の結果、GFP陽性群では腫瘍形成を示しグリオーマ幹細胞が多く含まれていることを確認した。さらにGFP陽性群がグリオーマ幹細胞としての性質を有することを、神経幹細胞培地でのsphere形成と幹細胞マーカーであるNestin, Sox2, Musashiの発現により確認した。両群でRNAを抽出しマイクロアレイによる発現遺伝子プロファイルを作成した。このリストを両群間で比較することでGFP陽性群およびGFP陰性群で高発現を示す遺伝子をそれぞれ50種類リストアップした。GFP陽性群の高発現遺伝子の中には複数の幹細胞マーカーが含まれていた。【結論】グリオーマ幹細胞に高発現および低発現する遺伝子を複数見出した。今後これら候補遺伝子を文献的考察により少数に絞り込み、それぞれの機能解析と標的分子としての妥当性評価が必要である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目標であったマウスグリオーマモデルにおけるグリオーマ幹細胞(GFP陽性細胞群)とGFP陰性細胞群の抽出とマイクロアレイによる両群の遺伝子発現解析プロファイルの作成、ならびに両群間の比較により候補遺伝子の抽出を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画通りに初年度にリストアップした候補遺伝子を文献的考察により少数に絞り込み、それぞれの機能解析を進め標的分子としての妥当性を評価する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は設備投資不要で実験に使用する消耗品への充当がほとんどである。細胞株を使用した分子生物学・細胞生物学的実験に必要な消耗品への充当とwestern blottingに要する抗体購入に伴う消耗品のための費用がほとんどである。また成果発表のための旅費、作成する論文のために校閲と投稿料の費用を確保する。
|
Research Products
(1 results)