2013 Fiscal Year Annual Research Report
悪性脳腫瘍WT1免疫療法でのin vivoイメージング技術の開発
Project/Area Number |
23791597
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
千葉 泰良 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90533795)
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Keywords | WT1 / peptide vaccination / immunotherapy / methionine PET / parametric response map |
Research Abstract |
大阪大学にて行っていた再発悪性グリオーマに対するWT1ペプチドワクチン療法の第II相試験に参加された患者のうち、ランダムに選択した14名に対してWT1ペプチドワクチン療法の前後に造影MRIとメチオニンPETを撮影した。WT1ペプチドワクチン療法前後のメチオニンPET画像を融合し、voxel単位で集積値の変化を表したparametric response map (PRM)を作成した。正常領域の変化率から導いた±2SDに収まる部分は腫瘍の性状が変化していない領域と考え、+2SD以上となった悪性化領域の割合、-2SD以下となった活動性低下領域の割合を解析した。その上で、WT1ペプチドワクチン療法施行前後の①造影MRIでの腫瘍最長径や腫瘍体積の変化、②METの最大集積値(T/N max)の変化、③PRM解析の結果をWT1ペプチドワクチン療法開始からの全生存期間(OS-WT1)と比較した。 造影MRIから導いた腫瘍最長径や体積測定ではOSとの関連を示さなかった(p=0.270;腫瘍最長径, p=0.960;体積測定)。メチオニンPETの最大集積値(T/N max)の変化では、OS-WT1とある程度の傾向は示すものの関連性は低かった(p=0.110)。しかし、PRM解析の結果、+2SD以上となった悪性化領域の割合とOSとは統計学的な関連性を認めた(p=0.008)。 従来行われていた造影MRIを用いた解析や、METでも集積値や体積測定といった従来の解析法では、免疫治療の効果判定には不十分であると思われるが、今回我々が使用したvoxel単位でのPRM解析は免疫治療に対する反応モニタリングに有効である可能性が示唆された。 以上をJournal of Neurosurgeryに投稿した(J Neurosurg. 2012 Apr;116(4):835-42)。
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