2012 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病に対する脳深部刺激療法が感覚認知に与える影響の解明
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23791598
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
圓尾 知之 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (90533810)
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Keywords | パーキンソン病 / 脳深部刺激術 / 神経変性疾患 / 感覚認知 / 脳血流代謝 |
Research Abstract |
パーキンソン病は主に運動症状を呈する神経変性疾患であるが、最近、精神症状や認知障害、感覚障害、精神障害などの非運動症状にも注目が集まっていて、その外科的治療法である脳深部刺激療法に関しては、運動症状だけでなく非運動症状に対してさまざまな効果や副作用などの影響も数多く報告されている。しかしその作用機序についてはいまだに解明されていないのが現状であり、今研究では脳深部刺激の感覚障害への作用機序を解明するため、パーキンソン動物モデルへの感覚提示による脳代謝および脳血流の変化をPETおよび脳血流計を用いて解析することを目的とする。温度感覚刺激および脳深部刺激によって運動感覚野および大脳基底核での脳血流の変化、および脳表血流を経時的にとらえる手法を確立し、刺激時に脳表血流の経時的な変化と脳代謝との関係、感覚刺激の種類、刺激パラメーターによる違いを詳しく解析している。 これまでの結果としては、感覚提示におけるパーキンソンモデル群と正常コントロール群との比較では、パーキンソンモデル群でコントロール群と比較して運動感覚野で有意に血流変化が減少し、視床下核刺激によって、この血流変化が増加しコントロール群と同等の変化にまで改善した。しかし、まだ十分なN数の実験が行われていないため、有意な変化とはなっていない。今後、さらなる実験の追加と、PETでの脳深部での血流変化についての解析も進める必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験モデル動物の作成と視床下核刺激の手法および電気生理学的評価は予定通りすすんでいるが、脳血流、脳代謝の解析のための測定実験が機器の問題でやや遅れているため、今年度に追加実験と解析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に十分に施行できなかった項目の追加実験として、パーキンソン病モデルラットおよびコントロールに対する視床下核刺激での脳糖代謝および脳血流の変化を脳血流計、半導体PETを用いて追加測定解析する。この結果を元に組織学的、免疫学的解析を追加で同時進行で行う予定とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の研究遂行に必要な画像検査経費、動物施設使用料、研究成果発表の学会出席や論文投稿に必要な経費に今年度繰り越しの研究費を使用する予定である。
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Research Products
(21 results)