2012 Fiscal Year Annual Research Report
Olig2陽性細胞から選択的に誘導したニューロンを用いた神経再生医療の基礎的検討
Project/Area Number |
23791605
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
政平 訓貴 高知大学, 教育研究部医療学系, 講師 (80444769)
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Keywords | 再生医療 / Olig2 / 神経分化 / オリゴデンドロサイト / 運動ニューロン |
Research Abstract |
神経再生を目的に、神経幹細胞移植が期待されているが、現在のところ移植された幹細胞がどのような細胞腫に分化するかは、移植された微小環境に左右される。そのため、脊髄損傷などの再生医療で必要となる運動ニューロンやオリゴデンドロサイトなどの特定の細胞腫に誘導することができず、安定した効果が期待できない。Olig2は神経発生において神経細胞である運動ニューロンとグリア細胞であるオリゴデンドロサイトという、ニューロン系、グリア系それぞれ特定のクラスへの分化を決定付けるユニークな転写因子である。この特性を利用して、神経細胞から、再生医療で特に必要とされる運動ニューロンとオリゴデンドロサイトを特異的に分化誘導させて再生医療をより効率的、確実に行える技術を確立することを目的とした。 Olig2は他の転写因子と共同して分化を誘導しているがその制御機構は十分解明されていない。運動ニューロンは胎生9.5日から11.5日にかけて脊髄腹側の特定の領域から賛成されることがわかっている。そこで、運動ニューロン産生前の胎生6.5日と産生中である9.5日のマウス胎児脊髄からOlig2陽性細胞を採取し、転写因子の発現パターンを比較することで運動ニューロン産生に関わる遺伝子を特定できると考えた。 Olig2陽性細胞間で厳密に遺伝子発現パターンを比較するため、脊髄腹側部分の組織を採取してホモジネートし、Olig2抗体を用いてセルソーターでOlig2陽性細胞のみを単離することを試みた。しかしながら、実際には胎児脊髄の組織はわずかしか採取できず、多数の固体数が必要となった。さらに腹側の組織のみを得るのは技術的に困難を伴った。またOlig2抗体の染色条件が安定せず、予想したようなセルソーターを用いた単離は実際には困難であった。
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