2011 Fiscal Year Research-status Report
脳梗塞における幹細胞移植療法の効率効果向上を目指した時期特異性、領域特異性の解明
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23791611
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
堀江 信貴 長崎大学, 大学病院, 助教 (70380912)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 脳梗塞 / mesenchymal stem cell / 動脈内投与 |
Research Abstract |
【1. 脳梗塞モデルの確立】雄SD ラットを用いて、モノフィラメントを内頚動脈経由で中大脳動脈まで挿入し、一過性中大脳動脈閉塞モデルを作成した。閉塞時間は45分、60分、75分と行い、(1)均一な梗塞サイズ、(2)梗塞による神経所見を呈する、(3)致死的でない、この3条件を満たすものを採用することとした。梗塞サイズはモデル作成後24時間経過した時点でTTC染色を行い、ミトコンドリア障害領域を測定した。また、神経所見についてはBederson Scoreに習い、body swing, circling, pushing lateralityを呈するものを神経所見あり、と判断した。その結果、75分梗塞モデルを本研究のモデルに採用した。【2. Mesenchymal stemcellの確立】移植に用いる細胞はJapanese bone marrow illiumから採取したhuman mesenchymal stem cell (male, 39 yo)を用いた。【3.細胞移植における投与方法の確立】ラット頸部を正中切開して頸動脈を露出。外頚動脈からcarotid artery catheter (Neuroscience. Inc)を内頚動脈に挿入し、総頸動脈の血流を維持したままMesenchymal Stem cell 100万個をゆっくり投与し、移植細胞が脳内に分布していることを確認した。【4.移植細胞の分布についての解析】移植の時期については(1)Day 1 群、(2)Day 4 群、(3)Day 7 群の3群に分けた。移植後3時間後、さらには48時間後にsacrificeし、移植細胞の脳内分布を解析した。その結果、移植後3時間においてDay1とDay4群では多くの細胞が脳内のlesion にhomingしており、一方Day 7では殆ど細胞は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の主な目標であったモデルの確立、移植手技の確立は達成でき、治療群を3群に分けることが可能であった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は移植された脳内環境の変化、機能回復の差異につき検討を行う。移植細胞の生着やホストである脳組織、特にペナンブラ領域の変化については移植時期による相違があるものと考えられ、ひいては機能回復に寄与するものと考えられる。 動物モデルに関しては現在のモデルで良好な成果が期待されるために、これを継続する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物管理費、抗体などの試薬、参考テキスト代などに使用する予定である。
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