2012 Fiscal Year Annual Research Report
カオリン水頭症モデルで見られる異所性アクアポリン1の水頭症発症における役割の解明
Project/Area Number |
23791613
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
藤田 政隆 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (10360637)
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Keywords | RNA干渉 / アクアポリン / 水頭症 |
Research Abstract |
くも膜下出血後の合併症などとして知られる正常圧水頭症の発症機序解明のため、カオリン誘発性水頭症モデルラットを用いて、水頭症発症時に異所性に増加している水チャンネル・Aquaporin-1(AQP1)を、RNA interference (RNAi)を用いてノックダウンすることにより、AQP1が水頭症形成にどのような影響を及ぼすか検討することとし、以下の研究を実施した。 はじめに、RNAiを用いて水頭症モデルラットでのAQP1の発現を特異的に抑制させることを目指すにあたり、その基礎となるAQP1の発現量を定量するシステムが必要であった。AQP1の発現量については、mRNAを定量する方法と蛋白質を定量する方法が想定されるが、①AQP1蛋白質の定量法がまだ充分には確立していなかったこと。②当研究室において、ウサギにAQP1部分ペプチドを免疫し、抗AQP1血清をすでに調製していたこと。など、以上の2点の理由から、AQP1蛋白質をウェスタンブロット(WB)法で定量する方法の確立を目指すこととした。 AQP1を発現している培養細胞株(C6ラットグリオーマ細胞)とラット脳組織を用いて、得られていた抗血清2ロットの反応性を検討したところ、一方がWB法に適していることを確認できた。 次に、最適なsiRNA配列を決定するために、in silicoにて検索した3つの配列を元に合成したsiRNAをC6細胞に導入し、WB法でAQP1の発現量を調べることにより、RNAiの効率について検討した。その結果、1つの配列が効率よくAQP1蛋白質の発現を低下させることが明らかとなった。 一方、この配列をラットへ投与するにあたり、投与法を検討した。これについては、髄腔内という特殊な環境下に、分解しやすいsiRNAを投与し続ける必要があり、本期間内に適切な方法を見出すことが出来ず、その投与法の確立が今後の課題である。
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