2011 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病の視床下核単一ニューロン活動分析によるβ帯域オシレーションの解明
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23791616
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小林 一太 日本大学, 医学部, 助教 (20366579)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / 脳深部刺激療法 / 微小電極記録 / STN / オシレーション |
Research Abstract |
パーキンソン病は大脳皮質-大脳基底核を中心とした運動制御機能に異常をきたした状態であるがその病態については不明な点が多い。パーキンソン病に対して行われる脳深部刺激療法の手術中に、微小電極を用いて脳深部の神経活動記録が行われる。本研究は、この神経活動記録から、パーキンソン病患者の視床下核の単一ニューロン発火活動の周波数分析を行い、パーキンソン病症状の発生に関連していると考えられているβ帯域の神経活動を持つ単一ニューロンを同定し、こうしたニューロンの性質を分析した。術後に記録された神経発火活動をスパイク波形分析によって、単一ニューロンのスパイクに弁別した後に、単一ニューロンのスパイク発火のタイミングを発火時間のデータとして出力した。(1)単一ニューロンの発火時間データからMatlab上で周波数分析をおこない、統計学的に有意水準を越えるβ帯域の神経活動を持つニューロン(βニューロン)を同定し、βニューロンとそうでないニューロンの発火頻度を比較し、従来のパーキンソン病の発火頻度仮説とβ帯域の神経活動の関連を検討した。(2)視床下核内でのβニューロンの分布を検討し、運動領域とされる STN の背側に一致して分布しているか検討した。 現在までにパーキンソン病患者の107個のSTN単一ニューロンの分析を行った。このうちβ帯域のオシレーションを呈するニューロン(βニューロン)は13%であった。βニューロンの発火頻度は非βニューロンの発火頻度より有意に高く、これは発火頻度モデルに矛盾しない所見であった。またβニューロンはSTN 内で背側から腹側にかけて広く分布している傾向があり、この結果は単一ニューロンのβ帯域の活動は PD の運動症状を特異的に反映する活動ではない可能性を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に107個のSTNニューロンを分析し得ており、当初の計画通りである。加えて、βニューロンと非βニューロンの発火頻度の比較において有意なデータも得ることができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、症例を蓄積し、βニューロンを同定し、発火頻度、分布等について検討していく。加えて同時記録された振戦の筋電図と同じ周波数で高いコヒレンスを有する単一ニューロン活動(振戦ニューロン)を周波数分析にて同定し、振戦ニューロンとβニューロンが異なるか否かを検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
筋電図記録関連(ディスポーザブル電極、ペースト剤、ケーブル等)、マイクロレコーディング関連(ケーブル、コネクタ等)、データ保存用 HD ドライブの消耗品として用いる。情報交換や学会で研究成果を公表するために必要な出張経費、外国語論文の校閲、ホームページ上での成果の公表、論文発表の際の諸経費として用いる。
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Research Products
(1 results)