2012 Fiscal Year Research-status Report
グリオーマに対するテモゾロミド耐性獲得の機序並びに化学療法剤増感法の検討
Project/Area Number |
23791617
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
安達 一英 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (10338056)
|
Keywords | グリオーマ / テモゾロミド / 化学療法耐性 |
Research Abstract |
ヒトグリオーマ細胞におけるTMZ耐性化に際しBRCA1変異の関与を明らかにする目的に、薬剤処理細胞および薬剤未処理細胞を用いて、BRCA1蛋白の発現を検討した。しかし、BRCA1がU87MG細胞においてもTMZ耐性ヒトグリオーマ細胞においてもwestern blot法を用いた検討において抗体を複数種類用いて検討したが、全く発現を認めなかった。以上のことからBRCA1の変異がTMZ耐性に作用していないことが確認された。 今後の研究がBRCA1の変異に基づいた研究に基づいていたため、大幅な研究の修正が必要と考えられた。 そこで耐性株における細胞周期の関与をさらに検討することとした。昨年の検討によると耐性株においてはU87MGと異なりG2/M arrestが起きていないか、起きていてもすぐに修正され、M期へと移行していると考えられたが、細胞周期check pointはG2/Mだけではなく、G1/Sにも存在するため、まずそちらの検討を行った。P27Kip1に注目し検討した。U87MGにおいては、TMZ未処理細胞においても、TMZ処理を行ってもP27Kip1の発現は一定で変化を認めず、U87MGにおいてはG1/S check pointの関与は低いと考えられた。しかしTMZ耐性株においては、結果にばらつきがある為、再検討を要すると考えられるが、TMZ処理前において発現は弱く、TMZ投与後day1~3までは同様に低いが、day5~7においては発現が上昇している傾向が認められた。P27kip1はノックアウトにおける検討において過形成を示し、また癌抑制遺伝子として知られ、低発現は高悪性度を示すとされており、コントロールにおけるTMZ耐性株での低発現は悪性度の高さを示していると考えられるが、day5~7において発現が上がっているとするとG1/S期にDNA修復を行っている可能性があると考えられる
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
BRCA1における検討によってBRCA1がU87MG株においてもTMZ耐性株においても発現が認められなかったことから、大幅な研究の修正が必要となったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
TMZ耐性株においてG2/M arrestは起きていないと考えられるが、一旦停止してから、すぐにG2からM期へ移行している可能性も否定できないためp-Wee1による検討をU87MG、TMZ耐性株両方に行い、G2/M arrestが生じていないのか、一旦生じてからM期に移行しているのかを検討する。またG1/S arrestがTMZ耐性に関与しているのかを検討する目的にp27Kip1のdataを再検討し確認する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H23年度と同様に物品費・旅費等に使用し、とくに現在のところ大口な物品購入は予定していない
|