2011 Fiscal Year Research-status Report
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23791618
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
渡邉 大 宇部工業高等専門学校, 機械工学科, 講師 (60535912)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ボクセル法 |
Research Abstract |
当年度はまずボクセル法による頭部有限要素モデル作成に必要なビットマップ断層画像の作成を行った.ボクセル法とは断層画像の1pixelを1有限要素として有限要素モデルを構築する手法である.ゆえに三次元ボクセルモデルの構築には元となるビットマップ断層画像が必要である.米国のthe National Library of Medicineから提供を受けた頭部断層データは男性および女性のCT,MRI,冷却切片画像の3種類,計6種類の画像データである.冷却切片画像とは組織を冷凍させ硬化した組織を薄くスライスして画像化したものである.そのうち最も組織がわかりやすい男性の冷却切片画像約400枚を元に,力学的構造上重要と思われる組織の分類を行う.力学的構造上重要な組織は外側から皮膚,軟部組織,頭蓋,硬膜,脳髄液,脳白質,脳灰白質,大脳鎌,小脳テント,脳室と定めた.なお,硬膜,大脳鎌,小脳テントは連続した同一組織であるが,構造上,力学的な役割が異なると予測されるので異なる組織として分類を行った.購入したAdobe Photoshopを用いて断層画像から組織を抽出し,一枚一枚グレースケールで塗り分けることで組織分類行った.一画像内でRGB値がほぼ同じのピクセルをソフトウェアで自動抽出することで組織分類を行うほか,自動化できない部分は目視で組織分類を行った.これら作業を計422枚ほぼ終え,三次元化したのちに組織の連続性が断たれている部分の微調整を後に行うこととした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りNLMから断層画像の提供を受け,冷却切片画像を用いてボクセルモデル構築に必要なビットマップ画像の作成作業をほぼ終えた.しかし3次元化して確認しながらの若干の修正作業は残っている.
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Strategy for Future Research Activity |
作成したビットマップ画像から3次元ボクセルモデルを生成するソフトウェアの開発を行う.ビットマップ断層画像を用いて,ピクセルの大きさ,断層間距離を入力すると3次元ボクセルモデルに変換し,さらにLS-DYNAやPAM-CRASHなどの商用解析コードが読み込むことの可能なファイル形式に変換できるようなソフトウェアの開発を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ビットマップ画像の画素数からボクセルモデルが大規模モデルとなりそうであることが想定される.また,作成されたプログラムのテストランおよびモデル生成後の動作確認を行う予定である.研究費はこれら高負荷作業が行える高速処理が可能なワークステーション構築に使用する.予算申請時では初年度に作業用ワークステーションの構築を行う予定であったが,それを見合わせることとした.初年度作業においてそのほとんどを既存パソコンで行えたからである.コンピュータの高速化,低価格化は日進月歩であり実際にワークステーションを必要とする直前で構築することが予算執行上もっとも効率的であると判断し,23年度にはあえて執行せず,24年度予算に繰り越し計上した.また,プログラミングに必要なソフトウェアおよび動作確認のための汎用構造解析ソフトの年間ライセンス使用料等としても計上する.さらに,医師によるモデルの医学的妥当性の確認および学会参加のための旅費として使用する.
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