2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791618
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡邉 大 芝浦工業大学, システム工学部, 准教授 (60535912)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | ボクセルモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度においては,作成したモデルの妥当性の検証を行った.頭部の形状および構造においてはその生体忠実性を十分に有していると言えるが,そのモデルの各組織にどのような物性値を入力するかで,力学的応答は大きく変わる.そこで昨年度に著者らが過去に行った研究で用いたものをそのまま使用したことに引き続き,新しい物性値を採用して既存の死体実験をシミュレートする解析を行った.本モデルは脳組織を白質と灰白質に区別し,骨組織も緻密骨と海綿骨を区別してモデル化を行っている.そこでこれらに別々の物性を与えて圧力応答に関する解析を行った.その結果,過去に行われた死体実験における圧力応答と解析結果は良好に対応したことを確認した.さらに昨年度行った脳および骨組織をそれぞれ同一組織として扱った解析結果とほぼ同様の圧力応答となった.これは圧力応答と密接に関連する物性値は体積弾性率であり,体積弾性率は昨年度と同じ値を用いているからであることが考えられる.続いて頭部衝撃時の脳組織の変形応答を観察した既存死体実験のシミュレートを行うことで妥当性の確認を行った.この既実験は衝撃時の頭部の角加速度応答を取得しているものの,頭部への衝撃荷重曲線が得られていない.そこで,まずこの角加速度応答を得られるための荷重曲線の逆算を行い,それを頭部モデルに入力することとした.シミュレーションの結果,死体実験の結果と良好に対応することを確認した. 本研究は一般公開を目的とした衝撃解析用頭部精密モデルの開発を目的とした.まず,NLMから得られた頭部断層画像を元に組織分類を行い,ボクセルモデル構築用のビットマップ画像を作成した.また,ビットマップ画像からボクセル有限要素モデル構築を行うためのソフトウェアを開発した.さらに構築したモデルの妥当性の検証を行い,モデルの有効性を確認した.
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