2011 Fiscal Year Research-status Report
関節軟骨、軟骨下骨を同時に再生可能なインテリジェントマテリアルの開発
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23791623
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
笠原 靖彦 北海道大学, 大学病院, 助教 (00581927)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 骨軟骨代謝学 / 再生医学 / scaffold |
Research Abstract |
(1)fg-HApの準備、作成北海道産のウシ四肢骨(北海道畜産公社、札幌)を原材料とし、煮沸、洗浄、乾燥、焼成の過程を経て緻密骨、海綿骨由来のアパタイトを作成した。緻密骨由来のアパタイトを粉砕後、5%硝酸水溶液にて完全溶解後、硝酸溶解液中に海綿骨由来アパタイトを含浸しエッチングと部分溶解を行った、次にアンモニア水を添加し室温でpH9~11のアパタイト安定領域で熟成する。濾過、洗浄後、室温で乾燥させ、120℃で24時間焼結することでfg-HApが作成された。(2) 骨軟骨欠損への移植(fg-HAp、IP-CHA、β-TCPの比較)家兎骨軟骨欠損モデル(体重2.5-3.0kgの日本白色家兎の大腿骨滑車に、直径5mm、深さ4mmの骨軟骨欠損を作成)を用いて移植実験を行う。実験群はfg-HAp群、IP-CHA群の2群で、各群12膝(4週6膝、12週6膝)とする。術後4および12週で各群(n=6 at each time point)の再生組織を採取し、肉眼的評価およびHE、Safranin-O染色による組織定量評価(Niederrauerらのscoring system)を行った。さらに、HE染色像から移植したfg-HAp、IP-CHA、β-TCPの残存面積を測定し、その吸収性につき定量評価を行った。力学的評価として、4および12週で独自に開発した力学試験機を用いて再生軟骨の圧縮強度(n=6 at each time point)および軟骨表面の摩擦係数の測定(n=6 at each time point)を行った。fg-HAp群において、有意な関節軟骨の再生と軟骨下骨の再建が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)fg-HApの準備、作成 作製方法については、高い再現性を持って計画通りの円柱状のfg-HApを作成することが可能になった。(2) 骨軟骨欠損への移植(fg-HAp、IP-CHA、β-TCPの比較)家兎骨軟骨欠損モデル(体重2.5-3.0kgの日本白色家兎の大腿骨滑車に、直径5mm、深さ4mmの骨軟骨欠損を作成)を用いた移植実験を行った。fg-HAp群、IP-CHA群についての肉眼的評価およびHE、Safranin-O染色による組織定量評価(Niederrauerらのscoring system)は終了した。力学試験に使用するサンプルに関しても冷凍保存してあるため、次年度に予定している長期モデルのサンプル採取後にまとめて行う予定である。さらに、HE染色像から移植したfg-HAp、IP-CHAの残存面積を測定し、その吸収性につき定量評価を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)移植後1, 2週のfg-HAp群における評価骨軟骨欠損部の修復組織に関して、生化学的解析(DNA定量、real time RT-PCRによる細胞外基質のmRNAの発現量、ALP定量)を行うとともに、組織学的評価(HE染色)、免疫組織化学染色(Type I, II ,X collagen)、TRAP染色による破骨細胞数の定量などを行い、骨軟骨修復メカニズムについて明らかにする。(2)fg-HAp群の長期移植モデル(26週ならびに52週)実験群はfg-HAp群、IP-CHA群、β-TCP群の3群とする。各群12膝(26週6膝、52週6膝)とする。術後26および52週で各群(n=6 at each time point)の再生組織を採取し、肉眼的評価およびHE、Safranin-O染色による組織定量評価(Niederrauerらのscoring system)を行う。さらに、HE染色像から移植したfg-HAp、IP-CHA、β-TCPの残存面積を測定し、その吸収性につき定量評価を行う。軟骨下骨の質的評価としては、各サンプルのマイクロCTを撮像し、骨梁構造などを定量的に評価する。力学的評価として、26および52週で独自に開発した力学試験機を用いて再生軟骨の圧縮強度(n=6 at each time point)および軟骨表面の摩擦係数の測定(n=6 at each time point)を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
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