2011 Fiscal Year Research-status Report
光音響顕微鏡装置を利用した関節軟骨および軟骨下骨の同時評価法の確立
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23791624
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
萩原 嘉廣 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90436139)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 光音響 / 関節軟骨 / 軟骨下骨 / 超音波 / 変形性関節症 |
Research Abstract |
変形性膝関節症は関節軟骨ばかりでなく軟骨下骨もその病因に関与する。 軟骨下骨の評価方法はMRIやCTでも可能だが、ミクロレベルでの評価は難しい。本研究は、東北大学医工学研究科・医用イメージング研究分野 西條芳文教授が開発したレーザー光を照射し、光音響現象により発生した超音波を中心周波数40 MHzの超音波振動子で受信し画像化する非侵襲型の「光音響顕微鏡装置」を用いて、正常な関節軟骨ならびに軟骨下骨の質的評価の基礎的なデータの収集を行った。マイクロチップレーザ-:出力 400 μJ@228A、パルス幅 3.4 ns、繰り返し周波数 50 Hz、波長 532 nm凹面超音波振動子:中心周波数 50 MHz、焦点距離 15 mmの条件でラット膝関節を取り出し、計測を行った。始めに超音波振動子の焦点を合わせ、1ライン(x方向 2 mm 200点、z方向 0.75 mm、超音波:1024点 光音響:512点)のデータを取得した。超音波の計測後、光音響顕微鏡装置で同様の計測をを行った。取得した信号の平均化(光音響 100回、超音波 20回)を行い、イメージプロセッシングを行い、B-mode画像を作成した。超音波、光音響顕微鏡装置の画像を重ね合わせると、超音波は軟骨下骨でほとんど反射するのに対し、光音響顕微鏡装置では軟骨下骨よりも深部まで描出が可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超音波は軟骨下骨の表面で99%反射されると考えられているが、光音響では関節軟骨を含む軟骨下骨よりも深部の描出が可能であった。
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Strategy for Future Research Activity |
Optical Coherence Tomographyは10μmの解像度を実現しているが、今回得られた画像では解像度が劣る。レーザーの出力や波長、トランスデューサーの感度を調整し、より解像度の高い検出を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したこに伴い発生した未使用額であり、平成24年度請求額とあわせ、次年度に計画している研究の遂行に使用する予定である。
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