2012 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外環境制御による高悪性腫瘍治療法および腫瘍治療薬腫瘍取り込み増強法の開発
Project/Area Number |
23791634
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
松原 孝夫 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (30422827)
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Keywords | 悪性腫瘍 / 細胞外環境 / 低pH / 低酸素 / 薬剤感受性 |
Research Abstract |
I:細胞外環境因子の細胞株に及ぼす影響 前年度に使用した、骨肉腫細胞株(SaOS2,MG63,LM8,U2OS)、胃癌細胞株(AGN)、肺癌細胞株(H1299)を、低酸素、酸性、低栄養、高静水圧の複合環境下で培養し、前年度の遺伝子解析より得られた、CAIX、VEGF、PDGFをはじめとするターゲットとした遺伝子および蛋白発現を再度確認した。PDGFに関しては、酸性環境より、中性環境でより高発現が見られたが、VEGF、CAIXについては、低酸素環境だけでなく、酸性環境下で相乗効果的に発現が認められ、腫瘍細胞環境に特徴的である低酸素、酸性環境での発現が確認された。 II:細胞外環境因子のアクリジンオレンジ集積度への影響 各環境培養後のアクリジンオレンジの細胞集積度を、共焦点顕微鏡、pHセンサー色素、FACS scanで検討した。AO集積は、細胞内のAcidic vesicleの酸性度やライソソームに依存するため、低栄養環境、低酸素環境、酸性環境で、コントロールのpH7.4、20%酸素環境下に比べ、約1.5倍のAO集積増加が認められた。AO集積増加により、AOによる光線力学的殺細胞効果の増幅も認められた。 III.細胞外環境因子調整による抗腫瘍効果の検討 酸性環境下で発現の見られた細胞外環境関連遺伝子について、そのタンパクのインヒビターを作成し、インヒビターによる抗腫瘍効果を検討した。まず、CA IXに対するインヒビターを3種作成。肺転移モデルにて抗腫瘍効果と、肺転移抑制効果を検討した。結果は、細胞増殖抑制は、有意な抗腫瘍効果は得られなかったが、肺転移数については、CAIXインヒビター(Compound1および2)で、肺転移抑制効果が見られ、CAIX発現による転移抑制効果が期待された。コントロール群に比べ、Compound2では、(p=0.02)優位に細胞増殖抑制効果が認められた。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Translational research of photodynamic therapy with acridine orange which targets cancer acidity.2012
Author(s)
Kusuzaki K, Hosogi S, Ashihara E, Matsubara T, Satonaka H, Nakamura T, Matsumine A, Sudo A, Uchida A, Murata H, Baldini N, Fais S, Marunaka Y.
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Journal Title
Curr Pharm Des
Volume: 18(10)
Pages: 1414-1420
DOI
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