2011 Fiscal Year Research-status Report
進行性骨化性線維異形成症性の病態解明および創薬に向けたアッセイ系の確立
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23791636
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池谷 真 京都大学, iPS細胞研究所, 准教授 (20442923)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 進行性骨化性線維異形成症 / 異所性骨化 / BMP受容体 |
Research Abstract |
本年度に実施した研究成果については下記の通りである。1.FOP 患者由来細胞からiPS 細胞の作製-3人の日本人FOP 患者から4因子導入によりiPS 細胞作製を行い、作製されたiPS細胞に関して奇形腫形成能等の標準的機能評価法を用いて至適なクローンを確定した。2.iPS細胞から間葉系細胞を誘導する系の確立-研究計画に記載した目標のうち、野生型iPS細胞から骨細胞および軟骨細胞を含む細胞集団を誘導する方法を確立した。また、間葉系幹細胞を誘導する方法についても進めており、概ね順調に進展している。腱・靭帯における異所性骨化を検出するためにScx-GFPトランスジェニックiPS細胞を樹立した。しかし、胚葉体を用いた誘導法ではGFP陽性となる細胞が非常に少なく、フローサイトメトリーによる濃縮を行っても十分な細胞数が取れないため、分化誘導法の確立が必要となった。筋組織、および血管内皮の誘導についても分化誘導法の確立が急務であり、次年度の課題である。現在、FOP患者由来iPS細胞と野生型iPS細胞のあいだに骨化や軟骨化の程度に差異が無いか検討中である。3.in vivo 異所性骨化解析-細胞を免疫不全マウスに移植するための足場となる素材について検討中である。概ね順調に進展している。4.異所性骨化のin vitroアッセイ系の確立-2.において野生型iPS細胞から骨細胞および軟骨細胞を含む細胞集団の誘導法の確立に成功したことを受け、当初は平成24年度に実施する予定であった異所性骨化のin vitroアッセイ系の確立に着手した。骨標的細胞のin vitroでの骨化を鋭敏に検出するアッセイ系として、アリザリンレッド染色を用いた呈色による評価を定量化することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨細胞および軟骨細胞への分化誘導法の確立に成功したため、24年度に予定していた実験の一部を前倒しで開始した一方で、野生型iPS細胞から筋細胞や腱・靭帯細胞への分化誘導の進展がやや遅れている。全体としてはおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、当初の計画通りiPS細胞から骨化標的細胞への分化誘導系を構築するとともに、FOP患者由来iPS細胞と野生型iPS細胞の間で差異が検出された系を用いて治療薬探索のためのアッセイ系確立に向けて研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度も引き続き分化誘導系の確立およびアッセイ系の確立のために必要となる培養関連試薬や分子生物学研究試薬を購入する。また、成果発表のために国外学会1回、国内学会2回の旅費を計上している。
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Research Products
(1 results)