2013 Fiscal Year Annual Research Report
Parathyroid hormoneの難治性骨折・骨癒合不全治療への応用
Project/Area Number |
23791641
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
新倉 隆宏 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40448171)
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Keywords | 骨折治療 / 難治性骨折 / 骨癒合不全 / 骨癒合促進 |
Research Abstract |
研究期間最終年度において、ラット難治性骨折モデルの骨癒合をPTH (1-34)が促進するかの検討を、局所投与および全身投与において行った。ラット難治性骨折モデルは、髄内釘固定した大腿骨骨折を作成後、骨折部局所を展開し、骨折治癒に重要な骨膜を焼灼することで骨癒合が得られないようにして作成した。局所投与の実験では、PTH (1-34)を含ませた、徐放能を有するゼラチンハイドロジェルを骨折部に外科的に埋め込み、骨折治癒促進作用があるかを検討した。PTH (1-34)投与を行わない対象群では手術後8週間放置すると、骨癒合しない偽関節となった。PTH (1-34)局所投与においては、複数の投与量の条件で検討したが骨癒合は得られず、骨折治癒促進作用は見出せなかった。続いて、全身投与の実験を行った。PTH (1-34)全身投与においては、一回当たりの投与量として30 micro-g/kgおよび100 micro-g/kgを設定し、これらを週3回、腹腔内投与した。PTH (1-34)全身投与を行った群では、部分的ではあるが骨折部の骨性架橋形成が認められ、この骨折治癒促進作用は100 micro-g/kg投与群の方が強かった。骨折治癒促進作用の機序であるが、旺盛な外仮骨形成を伴っておらず、内軟骨性骨化の促進ではなく、膜性骨化の促進が主であると考察された。PTH (1-34)の作用は主に骨芽細胞分化を促進することであり、骨膜由来骨形成性細胞の分化が促進されることで膜性骨化の促進へと繋がるものと考えられた。研究期間全体を通じて実施した研究の成果としては、in vitro研究およびin vivo研究において、骨折治癒促進作用を期待してのPTH (1-34)投与方法としては、局所投与よりも全身投与の方が適切であるという、臨床使用における有益な情報が得られた。
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Research Products
(1 results)