2012 Fiscal Year Annual Research Report
発生学的アプローチによる関節内構成体(靭帯、半月板)再建方法の開発
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23791654
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
橋本 祐介 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10382178)
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Keywords | BMP / 骨腱移行部再生 / 半月板再生 |
Research Abstract |
我々は以前からの研究で骨形成因子(BMP-2)を用いて移植腱に骨腱移行部再生を再現し、その骨化過程で、半月板に極めて類似した組織像を呈していることから、以前の研究の発展形として、BMP-2を用いた一期的なACL再建術の開発と、BMP-2とnogginを共投与した半月板再建術モデルの確立を行った。 ①BMP-2を用いた一期的なACL再建術 白色家兎(3.2~4.0kg)の半腱様筋腱(以下ST)に3-0ナイロンでBMPが漏れないよう4箇所結紮し、rhBMP(15μg)を2箇所に注入した。コントロール群には、PBSのみを注入した。20分BMP-2を浸透させている間に大腿骨、脛骨に骨孔を作成し、ナイロン糸を取り除いた腱を移植した。術後早期の安静を保つため、2週間ギプスを装着し、術後4週、8週で組織学的評価、力学的評価を行った。術後4週の移植腱組織は、軟骨細胞が存在し、一部骨化が出現していた。術後8週では大部分が骨化していたが、一部軟骨化が残存していた。術後4週と8週における引っ張り試験ではコントロールとほぼ同等であり、有意に強度が強まることはなかった。 ②BMP-2とnogginを共投与した半月板再建術モデルの確立 白色家兎(3.2~4.0kg)のSTの1ヶ所にrhBMP(5μg)とnoggin1,5,10μgを共投与した3群を作成した。ウサギ膝内側半月板を切除した後、近位を切離したSTを内側後方から関節内に翻転し、関節包に縫着し半月板再建を施行した。術後4週でレントゲン、組織学的評価を行った。レントゲンではnoggin1,5μg群で半月板内の石灰化を認めたが、10μg群では認めなかった。組織学的には1,5μg群では石灰化、骨化巣が見られたが、軟骨層も同時にみられた。10μg群では骨化は抑制されたが、軟骨細胞や軟骨基質が見られず、BMPの内軟骨性骨化作用を抑制したと考えられた。
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Research Products
(3 results)