2012 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷におけるTROYの役割の解明と中枢神経再生治療への応用
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23791655
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
久岡 朋子 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (00398463)
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Keywords | 再生医学 / 脊髄損傷 / サイトカイン / グリア瘢痕 / 嗅神経被覆グリア |
Research Abstract |
1.胎生期・生後のマウス脊髄におけるTROY発現細胞の同定: TROYに対する抗体を用いて、発達過程の脊髄におけるTROYタンパクの発現、及び局在を検討した。その結果、胎生8.5日齢の脊髄神経上皮細胞の主に背側脳室帯の大部分において、強いTROYの発現を認め、胎生9.5日齢から13.5日齢においても脊髄背側の脳室帯における発現が持続していた。胎生15.5日齢から生後0日齢にかけて、脊髄背側のごく一部の細胞に弱い発現を認めた。生後7日齢から14日齢にかけて、一細胞あたりの発現レベル、及び発現細胞数が増加し、TROY発現細胞は脊髄全体に広く認められるようになり、14日齢でピークとなった。生後14日齢から21日齢にかけて発現細胞数は減少していき、21日齢ではほとんど発現が認められなかった。まず、胎生期におけるTROY発現細胞の同定のため、胎生13.5日齢の脊髄において、TROYと神経前駆細胞/放射状グリアのマーカーであるnestin/vimentin、及び神経細胞のマーカーであるβIII-tubulin/NeuNとの二重免疫染色を行った。その結果TROYは神経前駆細胞/放射状グリアに発現し、神経細胞には発現していなっかった。また、生後14日齢の脊髄においてTROYとアストロサイトのマーカーであるGFAP、及び神経細胞のマーカーであるNeuNとの二重免疫染色を行った。その結果、アストロサイトの大部分にTROYの発現を認めた。 2.脊髄損傷部位におけるTROYの発現の検討:脊髄背側半切断モデルを作成し、損傷1、3、7、14、21日後の損傷部、及びグリア瘢痕におけるTROYの発現を検討した。損傷7日後からGFAP陽性のアストロサイトを含むグリア瘢痕の形成が認められたが、TROYの発現は損傷3日後の損傷部周囲に限局しており、ごく一部のグリア様細胞においてのみみられた。
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