2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791666
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
小久保 舞美 東海大学, 医学部, 特定研究員 (40535209)
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Keywords | 軟骨再生 |
Research Abstract |
目的:本研究の目的は、ヒト軟骨細胞における増殖や分化のメカニズムを解明し、広範囲の関節軟骨損傷にも対応できうる【細胞シートによる関節軟骨損傷治癒法の開発】の確立である。 研究の方法:関節内において、軟骨がおかれている環境の酸素濃度は、約2%~4%とも言われている。また膝軟骨細胞の環境は、荷重というメカニカルストレスが特徴として挙げられ滑膜組織の提供する栄養素は、荷重によって軟骨内部にもたらされると推察される。軟骨細胞シート移植法の臨床応用へ向け、更なる培養期間短縮のために、培養環境を関節内での環境に近づけた培養法を検討する。本学臨床研究審査委員会承認の下、患者同意のもと肩関節制動術の際時に得られたヒト関節軟骨細胞およびACL再建術時に得られたヒト滑膜細胞(合計22例) を単離後24穴カルチャーインサート用プレートに滑膜細胞を、温度応答性インサート内に軟骨細胞を播種して共培養をし、酸素濃度2%で培養する群(2%群)、酸素濃度5%で培養する群(5%群)、酸素濃度20%で培養を行う群(20%群)の3群を作製し、培養14日まで経時的に各々の軟骨細胞増殖度をMTT assayで計測した。また、温度応答性インサートを用いて同様に培養を行い同条件下で、共培養積層化軟骨細胞シート(L-2%群、L-5%群、L-20%群)を作製し、プロテオグリカン量(以下PG量)をDMMB Assayを用いて測定し、real time PCR法を用いてCOL1、COL2等の軟骨形質維持に関する遺伝子発現を検討した。 研究成果:生体内での軟骨表面の酸素濃度と同程度の5%群は、20%群と比べ有意な差はなかったが、深層部に近い2%下ではより早く細胞外基質に富んだ積層化軟骨細胞シートを作製することが可能であった。
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Research Products
(2 results)